サッカー漫画として、あだち充「みゆき」を読む

カエルくん、サッカー漫画といえば、何を思い浮かべるかな?
やっぱり「キャプテン翼」でしょう
あと、僕が好きなのは・・・
「ファンタジスタ」、「ジャイアント・キリング」かなあ
ふっ、甘いな、僕が隠れたサッカー漫画の名作を教えてあげよう
Wikipediaの「サッカー漫画」の項目でも見落とさている作品がある・・・
[1]
そんなマンガがあるんですか!?
隠れたサッカー漫画にして、巨匠・あだち充の最高傑作!
それは「みゆき」(1980年~1984年/『少年ビッグコミック』小学館)だよ
[2]
え?タイトルはきいたことありますが・・・
「みゆき」ってサッカー漫画なんですか?

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出典:「みゆき」1巻(小学館)

☆☆☆自己紹介☆☆☆

名前:くまちゃん(♂)
プロフィール:広く浅く世間を語る、老眼?五十肩?まだ40代です!
特技:2才の娘を笑わせること
名前:カエルくん(♂)
プロフィール:ゆとり世代(さとり世代)、独身、潔癖症、シニカルな視点は世代のせい?
特技:インターネット超高速検索

あだち充の「みゆき」はラブコメの元祖である

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出典:「みゆき」1巻(小学館)

え~と(検索中)、Wikipediaには、「同氏の代表作の一つに数えられ、ラブコメディにスポーツを絡めた青春モノを得意とする作品群の中でも、本作品は恋愛のみにスポットを当てている。いわゆる『妹萌え』の先駆けでもある。」とあります
[2]
妹萌え、ムフ(笑)
作者は、「単にかわいい妹を描きたかったんですよ。妹がいない自分の妄想です(笑)。
で、スポーツ抜きでどれだけもたせられるかなぁ、というところではじめたんですけどね……持ちました!」
と語っています
[3]

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出典:「みゆき」4巻(小学館)

「みゆき」は、主人公の若松真人と、その彼女である鹿島みゆき、そして、血の繋がりのない妹・若松みゆきとの三角関係を、コメディータッチで描いたマンガだね
その後の、いわゆるラブコメ・ブームのきっかけになった作品といってもいいだろう
スポーツものから少し距離を置くことで、逆にあだち充の魅力が輝いた作品といえる
それで、「みゆき」のどこがサッカー漫画ですか?
「みゆき」はともかく、あだち充って、代表作の「タッチ」をはじめ、「ナイン」、「H2」、「スロスゲーム」・・・
ほとんどが野球漫画っていっていいくらい
そうですよね
え~と(検索中)、ボクシング漫画もありますが、ほとんどが野球ですね
現在連載中の「MIX」も野球漫画です
[3]
だよね
(剣道マンガとかもあるけど)
え~と(検索中)、あ!
僕はこのマンガを読んだことはありませんが、Wikipediaを見ると、
確かに、「幼馴染でサッカー日本代表のスター選手になった沢田優一」という
登場人物がでてくるみたいですね
[3]
見つけた?
よし、じゃあ、「みゆき」のサッカー要素を解説しよう!
ちなみに昔は、「日本代表」じゃなくて「全日本」って言ってたね
「みゆき」でもそう呼ばれている

「みゆき」にちりばめられたサッカー要素

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出典:「みゆき」1巻(小学館)

「みゆき」の舞台も学園生活だから、随所にスポーツのシーンが出てくるんだけど、あだち充は、この作品ではあえて野球描写を避けているフシがある
おそらく、いつもと違う雰囲気の作品にしたかったんだろうね
そして、その流れで、男子がスポーツをしている場面は、あだち作品に珍しくサッカーのシーンが多い
ホントですね、へー

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出典:「みゆき」6巻(小学館)

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出典:「みゆき」8巻(小学館)

言わせてもらうけど、「みゆき」がなかったら、ちば拓の「キックオフ」もなかったからね
ちば拓の「キックオフ」?
え~と(検索中)、あ、80年代のラブコメ×サッカー漫画があるんですね
さらにいうと、僕は「みゆき」がなかったら、「キャプテン翼」もなかったと思ってるくらい
高橋陽一の絵って、あだち充をリスペクトしてるでしょ
いや、さすがにそれは・・・

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出典:「みゆき」2巻(小学館)

ああ・・・よく見ると、絵が似てるかもしれません
高橋陽一はあだち充の影響を相当受けてると思うよ
特に「キャプテン翼」連載開始時なんかはね

クライマックスへの布石か?サッカー部のエース中条くん

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出典:「みゆき」6巻(小学館)

これは、単行本の6巻に登場するのは、サッカー部のエース中条だ
若松みゆきをめぐって、ヤンキー風の間崎竜一と対決するエピソードがある
若松みゆきは、学校でもモテモテなんだよね
中条くんはさわやかなサッカー青年ですね
物語中盤のこのさりげないエピソードは、サッカー漫画としての「みゆき」にとって、クライマックスへのさりげない布石だと、僕は思っている
そうなんですか?(笑)

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出典:「みゆき」6巻(小学館)

ちょっと休憩~あだち充の本性が暴走する!

最初に言ったように、あだち充の王道である野球を外れたことで、逆に、作家の魅力が倍増している
あだち作品の重要な魅力である、日常のさりげないエロが、「みゆき」では過剰に描かれているんだよ
本人も描いていて楽しかっただろうねえ
うわ~(笑)
「うわ~」、じゃないよ
そこは、「ムフ♡」っていうの!

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出典:「みゆき」5巻(小学館)

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出典:「みゆき」6巻(小学館)

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出典:「みゆき」7巻(小学館)

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出典:「みゆき」7巻(小学館)

ムフ♡
ムフ♡

日本代表のスター選手・沢田優一が登場し、物語はクライマックスへ!!

※ネタバレが嫌な方はご注意ください。

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出典:「みゆき」11巻(小学館)

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出典:「みゆき」11巻(小学館)

さて、クライマックスが近づいてきて、重要なキャラクターが現れる
彼の登場で、これまでの平凡の日常、静かな三角関係に波風が立ち始めるよ
いよいよ日本代表の登場ですね

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出典:「みゆき」11巻(小学館)

ちょっとここで人間関係を整理しておこう
若松真人と鹿島みゆきは恋人同士なんだけど、真人と一緒に暮らす若松みゆきも実は血の繋がりがなくて、この兄妹もお互い惹かれあっている
学校でもモテモテの若松みゆきに恋人はいないのはこの真人のせいじゃないかというのは周りのみんなもうすうす感じている
その微妙なバランスの中に、この日本代表が入ってくるんだ
日本代表はもともとこの兄妹のいいお兄ちゃん的存在だったんだけど、美しく成長した若松みゆきに惹かれて、強引なサッカースタイルよろしく、アタックを始めるんだね
なるほど、起承転結でいうと、
物語の転がきたんですね

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出典:「みゆき」11巻(小学館)

さて、どうなるか?
その前に、この重要なキャラクター、日本代表の沢田優一について一言
おそらくサッカー日本代表の選手という設定はこのマンガが史上初じゃないかな?
へー
そう考えると「みゆき」が隠れたサッカー漫画と言うのも
大げさじゃないかもしれません・・・
だろ(笑)

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出典:「みゆき」12巻(小学館)

ま、結論からいうと、日本代表の沢田優一は若松みゆきからフラれちゃうんだよね、なんと結婚式の当日に
やっぱり、血のつながらない兄妹は愛し合っていたという結末ですか・・・
主人公とずっとつき合っていた鹿島みゆきさんも可哀想ですね・・・
そこは、さすがあだち充だよ
キレイなエンディングが準備されてるよ

感動の最終回!~想い出がいっぱい

※ラストシーンを引用しています。ネタバレが嫌な方はご注意ください。

マンガの連載と同時にアニメ化されてたんだよね
アニメのエンディングテーマはご存知、大ヒットした「想い出がいっぱい」
今でも卒業シーズンにはよく聴くよね
知ってますよ!いい曲ですよね!
この曲はマンガの世界観にとてもマッチしていたよね
僕が特に好きなのは、「一人だけ横向く 記念写真だね」って歌詞
まさに、若松みゆきのキャラクターを表してるよね
切ないですね
そして、マンガの最終回はこの主題歌を効果的に使って、一歩間違えば後味悪くなりそうな恋愛の別れを、新しい恋愛の始まりとしてキレイに演出している
最後のシーンを引用するね
YouTubeで曲を再生しながら、眺めてみます!

想い出がいっぱい

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出典:「みゆき」12巻(小学館)

完璧だ・・・

脚注
[1] Wikipedia サッカー漫画
[2] Wikipedia みゆき (漫画)
[3] Wikipedia あだち充