『揺れる想い』、『揺れる思い』、『揺れるおもい』~歌のタイトルではよくある「想い」という字も、新聞では使わないらしい

エトセトラ
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揺れる想い体じゅう感じて~♪

出典:『揺れる想い』 歌:ZARD/詞:坂井泉水/曲:織田哲郎

ZARD、坂井泉水さんの『揺れる想い』ですね!いい曲ですよね!
まあまあかな
なんですか、自分で鼻歌を歌っておいて・・・(苦笑

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今日は、「想う」と「思う」の話です

ねえねえ、新聞では「想う」という字を使わないって知ってた?「想う」じゃなくて絶対「思う」を使うんだって
え、そうなんですか?
そしたら、ZARDの『揺れる想い』も『揺れる思い』になっちゃうよ
ちょっとイメージが違いますね
毎日新聞の校閲グループのブログに興味深いエントリーがあった・・・見てごらん
え~と(検索中)・・・ありましたありました、これですね

ある読者が、投稿欄で、タイトルを含めて「想う」を使おうとしたのを止められて、「普通に使い、誰もが普通に読んでいる、きれいで、意味深い『想う』が使えない不思議が、納得いきません」と言ってる・・・
そうですよ、なんで「想う」を使っちゃダメなんですか?
こういう理由らしい・・・読者の訴えに対する用語担当者の回答がこちら
なぜ新聞は「想う」を使わないか?

用字用語担当者としての見解を述べさせていただきます。

「想」はかつての当用漢字表でも今の常用漢字表でも「ソウ」の音読みだけが掲げられています。常用漢字表は2010年に改定され、「鑑」に「かんが(みる)」の訓が認められるなど一部音訓も拡大しましたが、「想う」については依然認められていません。

したがって、少なくとも学校では「想」に「おも」という読みは教えていないはずです。新聞は基本的に義務教育で学ぶ範囲内の漢字を心がけていますから、「想う」は認めていないことになります。

一般的には「想う」は誰でも使う平易な言葉であり、国が決めた線引きに新聞が従うことはないと思われるかもしれません。しかし「想う」を認めると「思う」との使い分けの線引きをどこに定めるかという問題に突き当たります。

新聞はできるだけ冷静で客観的な文体で書くことが求められます。戦前の新聞ではかなり情緒的な文章がありましたが、それが日本人に好戦的な気分をあおった一面があるという反省に立っています。

「想う」の表記でそこまでいうのは大げさかもしれませんが、多分に感情の入る表記は、各記者によって判断基準が揺れ、結果的に混乱を生むことが予想されます。

出典:www.mainichi-kotoba.jp

常用漢字表に、「想う」は認められてないんだね・・・
小学校でも正式には教えていないはずとは・・・
知らないで教えている先生もいるんじゃない?元国語教師のうちの奥さんにも訊いてみよっと・・・(笑
でも、新聞の表現が、客観的な文体を徹底しているのは良いことだと思います
「想う」は近代以降の文学作品から盛んに使われるようになった

歴史的には「おもう」に「想う」の字を当てることが一般的になったのは、それほど昔からではないようです。大野晋さんの「古典基礎語辞典」には「おもふ」「おもい」などの項で膨大な用例が集められていますが、ほとんどが平仮名か「思」です。わずか1例「想ひ」があるのみでした。

「想う」は近代以降の文学作品から盛んに使われるようになったのであり、日本語の歴史からいえば圧倒的に長い間「思う」は使われてきました。

出典:www.mainichi-kotoba.jp

「想う」を使うようになったのは近代以降なんだねえ、へー
こういう当たり前と思っていたことが、実は最近だけの常識だった・・・って多いですよね
司馬遼太郎さんは「思う」を漢字で書きません

また、「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」(新潮文庫)によると、司馬遼太郎さんは「思う」を漢字で書きません――とあります。井上ひさしさんの文章によると

このことについてわたし、一度、司馬さんにお聞きしたら、「《おもう》というのは、どう考えてみても、大和ことばなんだよ。これを漢字で書くのはおかしい。それで平仮名にひらいているんですよ」というお答えでした。

ということです。

そこで提案ですが、次に新聞に投稿されて「想う」をお使いになりたいときは「おもう」と書かれてはいかがでしょうか。平仮名でもお伝えになりたい気持ちは十分伝わると愚考します。

出典:www.mainichi-kotoba.jp

「想う」と「思う」と「おもう」じゃ、ニュアンスが違うよね・・・『揺れる想い』と『揺れる思い』と『揺れるおもい』は、どれがしっくりくる?
それはもうイメージが定着していますから・・・『揺れる想い』でしょう
『揺れるおもい』も悪くはないけどね
「おもい」とひらがなにした方が、イメージが制限されないというのはあるかもですねえ・・・
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おもう、思う、想う、憶う、念う

おも・う〔おもふ〕【思う/▽想う/▽憶う/▽念う】 の意味

1 ある物事について考えをもつ。考える。
2 眼前にない物事について、心を働かせる。
3 願う。希望する。「―・うようにいかない」「背が高くなりたいと―・う」
4 心にかける。心配する。気にする。「君のことを―・って忠告する」「このくらいの暑さは何とも―・わない」
5 慕う。愛する。恋する。「故郷を―・う」「心に―・う人」
6 ある感じを心にもつ。感じる。「別れは悲しいと―・う」「歓待されて心苦しく―・った」
7 表情に出す。そういう顔つきをする。

出典:dictionary.goo.ne.jp

辞書で調べたら、「思う」と「想う」の他にもあるね・・・「憶う」、「念う」
「憶う」は「追憶」の「憶」ですね
「念う」がいいよね・・・「ユリ・ゲラーが念う」みたいな
スプーンが曲がっちゃいそうですよね(笑
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歌謡曲からJ-POPのタイトルに見る「おもい」の表現

揺れる想い体じゅう感じて~♪

出典:『揺れる想い』 歌:ZARD/詞:坂井泉水/曲:織田哲郎

またまた~、やっぱり好きなんでしょう?
つい口ずさみたくなるよね(笑
このままずっとそばにいたい~♪

出典:『揺れる想い』 歌:ZARD/詞:坂井泉水/曲:織田哲郎

珍しい!カエルくんが歌うなんて!・・・でも、『揺れる想い』以外にも、古今、歌謡曲からJ-POPまで、「思い」や「想い」を使ったタイトルは沢山あるよね、え~と・・・
ちょっとリストアップしてみましょうか?
いいねいいね!
え~と(検索中)・・・
歌謡曲からJ-POPまで「思い」を含むヒット曲

思い出は美しすぎて
  歌:八神純子/詞:八神純子/曲:八神純子

思い過ごしも恋のうち
  歌:サザンオールスターズ/詞:桑田佳祐/曲:桑田佳祐

思いきりアメリカン
  歌:杏里/詞:竜真知子・ANRI/曲:小林武史

夏の思い出
  歌:ケツメイシ/詞:ケツメイシ/曲:ケツメイシ

『思い出は美しすぎて』、いい曲だよねえ
ああ・・・やっぱり、「思い」を含むヒット曲より、「想い」を含むヒット曲の方が多い印象ですね
ほー
歌謡曲からJ-POPまで「想い」を含むヒット曲

小指の想い出
  歌:伊東ゆかり/詞:有馬三恵子/曲:鈴木淳

想い出の渚
  歌:ザ・ワイルドワンズ/詞:鳥塚繁樹/曲:加瀬邦彦

片想い
  歌:浜田省吾/詞:浜田省吾/曲:浜田省吾

少しだけ片想い
  歌:松任谷由実/詞:松任谷由実/曲:松任谷由実

想い出がいっぱい
  歌:H2O/詞:阿木燿子/曲:鈴木キサブロー

揺れる想い
  歌:ZARD/詞:坂井泉水/曲:織田哲郎

片想い
  歌:miwa/詞:miwa/曲:miwa

やっぱり近代以降の文学の影響で、今の日本人には「想い」という表現がより浸透してるんじゃない?
ですねえ
番外編

おもいで酒
  歌:小林幸子/詞:高田直和/曲:梅谷忠洋

ツナガルオモイ
  歌:藍井エイル/詞:Eir/曲:Eir

片想いよりも思い出を…
  歌:NMB48/詞:秋元康/曲:松本一也

そうだね、『おもいで酒』はひらがなだね
「おもい」をひらがなで使う歌は、ほとんどありませんね・・・
NMB48の『片想いよりも思い出を』・・・秋元康は「想い」と「思い」を使い分けているね、「片想い」は「片想い」、「思い出」は「思い出」がしっくりするのが現代人の感性なんだよね
そうですね
では、最後に洋楽から・・・邦題に「思い」と「想い」を使った曲を聴きながら、今日はこのへんで
邦題に「思い」と「想い」を使った洋楽ですか?
まずは、ジェーン・バーキンの「Ex fan des sixties」・・・邦題は「想い出のロックン・ローラー」

Jane Birkin “Ex fan des sixties”`(live officiel) | Archive INA

そして・・・トニー・ベネットの「I Left My Heart in San Francisco」・・・邦題は「思い出のサンフランシスコ」

Tony Bennett – I Left My Heart in San Francisco (from MTV Unplugged)

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