戦後最大の奇書・沼正三『家畜人ヤプー』入門

自分の性癖にふと気づいた、14歳の君へ
え?
突然ですが・・・奇書・沼正三『家畜人ヤプー』入門

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国際暗黒プロデューサー・康芳夫(こうよしお)氏に聞く、沼正三『家畜人ヤプー』とは・・・?

沼正三『家畜人ヤプー』とは・・・?
なぜ14歳・・・?
戦後最大の奇書と呼ばれる『家畜人ヤプー』

※康芳夫(こうよしお)氏のブログより
それ以上の時間的スケールをもって大勢のファンに読み継がれているのが、戦後最大の奇書と呼ばれる『家畜人ヤプー』である。SMをテーマにした文学的純度の高い一種の冒険譚であり、そのストーリーの奇想天外ぶりと作者の教養的背景の高さには三島由紀夫が驚嘆し、「戦後最大の傑作」と惜しみない賞賛を贈った。国際的にも高い評価を受けており、翻訳がフランス、アメリヵ、台湾ですでに出版されていて、近くロシア語版も出る予定である。

この本は内容以外のところでも大きな話題を振りまいた。一つは沼正三という著者が覆面作家であったことだ。その正体をめぐっては三島由紀夫や澁澤龍彦といった説もあちこちで出回ったりした。また、発売早々に、民族的な問題に触れているということで事務所が右翼の襲撃を受けて警察沙汰になったことも大きな宣伝となった。そんなことから話題が話題を呼んで、本は二〇万部を超す一大ベストセラーになった。

出典:yapou.club

三島由紀夫が驚嘆だぞ?
SMをテーマにした文学ですか?
ちなみに、この文章は、小説同様、これまた謎のプロデューサー、康芳夫(こうよしお)氏のブログからの引用
そもそも彼こそが『家畜人ヤプー』出版の仕掛け人である
こんな本があったんですね・・・
あらすじを紹介しておこう
ネタバレを読んでも十分衝撃だから
日本人が・・・家畜に?
えええ!?
『家畜人ヤプー』のあらすじ(ネタバレ含)

日本人青年留学生瀬部麟一郎とドイツ人女性クララ・フォン・コトヴィッツのカップルは、ドイツの山中で未来帝国EHSからきたUFOの墜落事故に遭遇。麟一郎とクララは中に乗っていたポーリーンを救出した。それがきっかけでクララと麟一郎は、未来世界「EHS(イース)」へと招かれる。

1978年に第3次世界大戦により地球は滅びかけたが、地球外に避難したイギリス人によって外宇宙に国家が作られた。それが徹底した人種差別による発展を遂げた国家「EHS(=The Empire of Hundred Suns)」だった。

白人を「神(=人間)」とし、黒人を「半人間」とし隷属扱い、日本人黄色人種を家畜「ヤプー」として白人崇拝として洗脳し、「知性ある生きている道具」として使われていた。ヤプーは肉便器や肉バイブ、食用畜などとして生活のあらゆる場所に入り込んでいた。また徹底した女性主権国家であり、男性はすべて女性に隷属していた。

未来世界到達後、クララと麟一郎はEHSにて別々にされてしまう。麟一郎は日本人であったがために、大幅なヤプーとしての肉体処置をされてしまう。クララは記憶喪失の貴族として扱われ、ウィリアムという未来世界の白人男性に恋心を抱く。天上世界で生活していく中でクララが少しずつEHSとしての感覚を身に付けていき、その一方で麟一郎も、ヤプーとして生まれ変わっていく。

出典:dic.nicovideo.jp

主人公の男性はとても男らしい日本男子
ヒロインは白人女性なんですね
二人は婚約者
日本人と外国人女性のカップルだけど、対等というより、むしろヒロインのクララは麟一郎を男性としてとても頼りにしているような関係性だったと記憶している・・・それがなんと!違う世界に投げ込まれ、違う価値観の中で過ごすうちに、見事に変わっていくという・・・
良識のある人にとって、人が便器になったりするビジュアルもショックだけど、こういう人の心まで変わっていく様はさらに衝撃的だよ
う~む・・・
作者の沼正三について、2008年頃に亡くなったみたいだけど、未だに確実に正体が判明している訳ではないらしい・・・
そうなんですか?
前出の康芳夫氏は、真実を確実に知っているものの一人と言われているけどね

出典:ja.wikipedia.org

この人もなんか怪しい感じですねえ・・・

ダークサイドに堕ちた山下達郎ではありません

出典:twitter.com

康芳夫氏は、アントニオ猪木対モハメッド・アリ戦の仕掛け人でもあるんだよね
このへんに触れると話が大きくそれるのでまた別の機会にでも・・・
風貌以上に、謎の人ですねえ・・・
康芳夫


1937年生まれ 駐日中国大使侍医の中国人父と日本人母の次男として誕生する。東京大学卒業後、興行師神彰のアートフレンドアソシエーションに入社、大物ジャズメンなどの呼び屋として活躍。アートライフを設立し『アラビア大魔法団』、世界的カーレース『インディー500』などを呼ぶ。モハメッド・アリ対マック・フォスター戦、トム・ジョーンズの来日公演を成功させる。『虚業家宣言』出版。その後はネッシー捕獲探検隊、オリバー君招聘、アントニオ猪木対モハメッド・アリ戦のフィクサー『家畜人ヤプー』プロデュース。エンターテイメントの仕掛け人として様々な伝説を残す『虚業家』。

出典:www.dommune.com

奇書・沼正三『家畜人ヤプー』入門

※出版年などの参考:ニコニコ大百科 →dic.nicovideo.jp

では、本題ね
自分の性癖に気づき始めた14歳の君に贈る、沼正三『家畜人ヤプー』入門!
14歳にこだわりますね(笑)
だって、14歳くらいから自分の性癖に気づくでしょ?
女子に虐げられることに快感を感じる自分はおかしいのだろうか?・・・なんて(笑)
いやいやいや(赤面)
そんな14歳はぜひ・・・沼正三『家畜人ヤプー』を読んでほしい
トラウマになるんじゃないですか・・・
さあ!『家畜人ヤプー』は出版ごとに改訂されているので、ざっと流れを紹介するよ
・・・え~と(検索中)、初版が1970年ですね
1970年に発行されたのが都市出版社版
しかし、都市出版社版も複数刊行されているので、どれが愛蔵版でどれが復刻版までは不明
内容は共通で、表紙イラストと装丁が違うみたいですね
【1970年】都市出版社版・1970年発行 全28章(都市出版社では愛蔵版・再版版・復刻版・決定版と出ている。全同一内容)

出典:page.auctions.yahoo.co.jp

↓本の帯にも使われた三島由紀夫の書評

◆一九七◯年 三島由紀夫(『潮』七月号より)
戦後の日本人が書いた観念小説としては絶頂だろう・・・・・・・・・この小説で感心するのは、前提が一つ与えられたら世界は変わるんだということを証明している。普通にいわれるマゾヒズムというのは、屈辱が快楽だという前提が一つ与えられたら、そこから何かがすべり出す。すべり出したら、それが全世界を被う体系になっちゃう。そして、その理論体系に誰も抵抗できなってしまう。もう政治も経済も文学も道徳も、みんなそれに包み込まれちゃう。そのおそろしさをある小説は書いているんだよ

出典:yapou.club

↓宇野亜喜良氏のイラスト

Amazonで購入

↓村上芳正氏のイラスト(《家畜人ヤプー 改訂増補限定版》(都市出版社)函原画 1970年 )

出典:www.museum.or.jp

【1972年】角川文庫版・1972年発行 全28章(都市出版社版に加筆・修正)

↓村上芳正氏のイラスト

【1984年】角川限定愛蔵版・1984年発行 全31章(「続家畜人ヤプー」として加筆)

※詳細不明、入手困難

初版から10数年後、角川限定愛蔵版で、またかなり加筆されたようだ
都市出版社版(1970年)・角川文庫版(1972年)の全28章から、角川限定愛蔵版(1984年)全31章と増えました
ミリオン出版版・1991年発行 第29章~第49章(完結編として発行)

↓奥村靫正氏のイラスト

【1992年】太田出版社版・1992年発行 全49章(最終版)

出典:gontado.shop-pro.jp

そして・・・ミリオン出版版(1991年)で全49章となり、今に至る
ちなみに、僕が昔購入して読んだのはこのバージョン
これは内容的には、下の幻冬舎版と同じようですね



【1999年】幻冬舎アウトロー文庫版・1999年発行(上記太田出版社版と同一。全5巻だが、各巻に今までの出版社の解説が載っている)

一応、初版からの経緯を振り返ってみたけど、これから読む14歳の君は、この幻冬舎アウトロー文庫版がいいね
電子書籍版もあるようです






マンガで読む『家畜人ヤプー』

実は『家畜人ヤプー』は、発表当初からマンガ化している
あの石森章太郎が描いたのが「劇画家畜人ヤプー」
小説とほぼ同時期ですね

石森章太郎が描いた「劇画家畜人ヤプー」

※「劇画家畜人ヤプー」を復刻したポット出版のブログを参考にしています。→www.pot.co.jp

1971年に、石森章太郎が描いた「劇画家畜人ヤプー」(都市出版社)

1983年に、都市出版社から発行された「劇画家畜人ヤプー」が、辰巳出版から復刊

続いて1984年、「劇画続・家畜人ヤプー」が辰巳出版から発行
※このバージョンから石森章太郎は監修にまわり、実際の作画はシュガー佐藤が担当

1993年「劇画家畜人ヤプー 快楽の超SM文明編」(辰巳出版)
※小説版「家畜人ヤプー」(全三巻、太田出版、1992年)の増補された部分が原作

1994年「劇画家畜人ヤプー 無条件降伏編」(辰巳出版)
※小説版「家畜人ヤプー」(全三巻、太田出版、1992年)の増補された部分が原作

江川達也が描いた「劇画家畜人ヤプー」(未完)

2003年には、『東京大学物語』などの人気作家・江川達也もマンガ化に挑戦している
え~と(検索中)・・・こちらは2007年に打ち切りとなって未完のようですね

出典:dic.nicovideo.jp



最近の作品も!!

そして、今も『家畜人ヤプー』に挑むクリエーターは途絶えない
これはかなりエロそうだね・・・(苦笑)
(赤面)
家畜人ヤプー Again 2017/6/22

伊藤ヒロ (著), 満月照子 (著), 沼正三 (著), ぎうにう (イラスト)

瀬部麟は高校二年の春、肉体が腐り精神異常を来す不治の病『ω熱』を発症。全ての元凶である両親を殺害し、幼馴染の同級生・木下くららの命をも奪うが、それらを手助けをした新興宗教団体に裏切られ、薬液の入ったドラム缶に沈められてしまう。―ふたたび目が覚めると、そこは『イース』と呼ばれる遙か未来の世界だった。日本人は『ヤプー』という“人間以下の家畜”として白人貴族(イース人)に使役させられ、リンもまた女性に性転換後、ポーリーン・ジャンセンお嬢さまの飼う“雌犬”として第二の人生を送ることになるのだが…。某大手出版社から、あまりに過激な内容ゆえ、「とても出版できない」と拒否された問題作、ついに登場!

家畜人ヤプーREBOOT (SPコミックス クリベロンコミックス) 2017/11/29

三条友美 (著), 沼正三 (著)


もっと知りたい方へ~沼正三関連の著作リスト

沼正三の作品は、『家畜人ヤプー』のみと言ってもいいかもしれないけど、一応、沼正三名義のエッセイや自叙伝も存在する
こちらです
集成「ある夢想家の手帖から」(1998)

眩惑のマゾヒズム大聖典。古今東西の文学・歴史・風俗に散りばめられた倒錯的快楽の蜜を吸い集め、築かれたマゾヒストによる性愛観念の巣窟。1953年初出から40余年、「家畜人ヤプー」の源泉となった至極の連鎖エッセイが時空を超え、官能の迷宮に誘い込む。「家畜人ヤプー」幻の種本。

マゾヒストMの遺言(2003)

欲望と権力と歴史の深い傷痕を凝視し続けた最後の戦中派、諦念の遺言。サディズムとマゾヒズムの相違点の解明に始まり、生い立ち、現在の日本の病理、「ヤプー論」まで、書き下ろし多数収録。

僕はこれ読んだ
『家畜人ヤプー』の著者・沼正三自体、やはりマゾなんですか?
そうなんじゃない?
強烈に記憶に残っているのは、本人の話じゃないらしいけど、トイレに潜む男の話
なんですか、それ・・・?
今の水洗トイレと違って、昔は汲み取り式便所でしょ
戦後、トイレの下で、糞尿まみれになりながら、何時間もそこで女性を待つ男がいたんだって
男は恍惚として闇の中で潜んでいたという
ちょ・・・(恥)
禁じられた青春(2008)

少女が跨いだ小石を持ち帰って頬ずりすることの興奮、男子の股ぐらを潜り抜ける姿を嘲笑されることの悦び…。正常とされる価値観に馴染めなかった少年は、それでも必死に生きていた。時代は昭和初期、戦争前夜。開戦に向けて熱狂する大衆を尻目に、ひとり逸脱していく孤独と愉悦。『家畜人ヤプー』の著者が、インモラルな半生を赤裸々に綴る。

懺悔録─我は如何にしてマゾヒストとなりし乎(2009)

戦後最大の奇書『家畜人ヤプー』の著者・沼正三、ついに逝く─
●沼正三がその死の直前までSM専門誌「S&Mスナイパー」(ワイレア出版、現在は休刊)に書き続けた実体験エッセイ、「ある異常者の体当たり随想録」から選集。
●未完の短編小説「化粧台の秘密」、2006年に受けた生前のインタビューを特別収録!!

異嗜食的作家論(2009)

『家畜人ヤプー』で名を馳せ、昨年末、亡くなった沼氏が天野哲夫名で世に問うた作家論に、芥川賞作家・村田喜代子氏の跋文を新しく付け加えた。マゾヒズムで社会批評をしたと言われる、沼氏の作家論は、これまでの書評とは一味も二味も違う作家論である。

まあ、いずれ沼正三の正体について、新しい事実が判明する時がくるかもしれない
どうでしょうか?
あと、昔から映画化のウワサも流れては消え・・・
映画化したらかなり衝撃ですよね
近い将来、映像となった『家畜人ヤプー』が新しい衝撃を届けてくれるかも・・・ね?