【天才マンガ家】楳図かずお長編三部作「漂流教室」「わたしは真悟」「14歳」を読む【最高傑作はどれ?】

サブカル
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やっぱこの人、天才だわ。
先日お亡くなりになった、ホラー漫画の第一人者、楳図かずお先生ですね。

名前:くま(♂)
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名前:カエル(♂)
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【天才マンガ家】楳図かずお長編三部作「漂流教室」「わたしは真悟」「14歳」を読む【最高傑作はどれ?】

子どもの頃、貸本屋に楳図かずおの「まことちゃん」や「漂流教室」が置いてあって、何度か借りた気はするけど、ちゃんと読めなかった。怖そうだしなんかあの絵に馴染めなかった。あの頃の僕は、もっぱら藤子・F・不二雄のマンガばかり借りていた。
子どもにとったら、藤子・F・不二雄先生のマンガの方が親しみやすいですよね。

しかし、その才能は手塚治虫以上だったかもしれない。もちろんこれまでも十分有名人だが、死後これからもっとマンガ家としての評価が上がるだろうな。
ですよねー。
…というわけで、今あらためて、楳図かずおの代表作、とくに長編を読み直してみたい。大学生の頃ビッグコミックスピリッツは毎週購読していたから「14歳」はリアルタイムで連載開始時は読んでいた。ただしばらくしてスピリッツ購読をやめたから、ほんと物語の序盤しか読んでないはず。あの時以来だな。当時、チキン・ジョージ登場の衝撃は憶えている(笑)。
長編といえば…1970年代に発表された代表作「漂流教室」、1980年代「わたしは真悟」、そして1990年代「14歳」ですね。ちょうど10年毎に長期連載をされていたようです。

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【漂流教室(1972年 – 1974年)】地球の未来はどうなる???

出典:漂流教室

荒廃した未来世界に校舎ごと送られてしまった主人公の少年・高松翔ら、小学校児童たちの生存競争を描いた作品。

担当編集者の「のっけから、ドーンと盛り上がるモノにしてほしい」という要望を快諾した楳図かずおは、以前から考えていた「『十五少年漂流記』を学校ぐるみでやる」という構想を元として、「時間を越えた母子の愛」と当時問題となりつつあった公害をテーマに盛り込んだ。以前からの構想やアイデアがあったため、冒頭からラストまでのかなり細かい部分を頭の中で作り上げてから書き始めたという。

出典:ja.wikipedia.org

子どもたちが学校ごと異世界に飛ばされてるという設定はもちろん知ってたけど、今更ながら「漂流教室」を読んだ(苦笑)。大林宣彦監督で映画にもなったけど、映画もみてないんだよねー。
楳図かずお先生の代表作として、世間の評価もすでに確立されています。

「漂流教室」に登場する未来人。かなりのインパクトですね(笑)。

出典:漂流教室

「漂流教室」を初めてちゃんと通して読んで、この作品の名作たる由縁はわかったけど、ただ今回、「わたしは真悟」→「14歳」→「漂流教室」の順番で読んだから、ぶっちゃけ「14歳」とかのインパクトの方が大きかったな。僕的には、「14歳」→「わたしは真悟」→「漂流教室」という順番で好きかも。ということは、ちゃんと最初に「漂流教室」を体験していれば、長編新作を発表するたびに、衝撃が大きくなるというパターンだから、楳図かずおはやっぱり凄いよね、となる。
ちょうど70年代・80年代・90年代と、長編作品を発表されました。
しかし、この内容の作品を1970年代に発表するってホントに凄い。楳図かずおはまさにオリジナリティの塊だな。最近のマンガって、もちろん良い作品は沢山あるけど、これほど強烈な個性、絵でありストーリーであり、その奥の伝えようとする内容であり、他のマンガにどこも迎合しない作品ってないよね?
どこかしら、その時代に共通する絵柄だったり、共通した表現ってありますよね。むしろ、その方が安心する読者も多いと思いますし。
楳図かずおの作品はそういう同世代に迎合するようなところがほぼないもんね。完全に独自の世界観で描き切るのってホント凄まじい才能だと思う。
1970年のマンガ界に衝撃を与えたのが、楳図かずお先生の代表作「漂流教室」です。

隔絶された地で、死の影と戦いながら懸命に生きる少年たちの愛と勇気!!明日なき人類の行く末を警告する、SFロマン!!

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【わたしは真悟(1982年 – 1986年)】少年少女の純潔、神になったロボット

出典:わたしは真悟

恐怖漫画の第一人者である楳図が、恐怖テイストを控えめにして、神とは何か、意識とは何かといった、形而上学的なテーマに挑んだ意欲作。

主人公さとるとまりんと同年齢の少年と少女が描かれたシュールな毎回の連載版の扉絵、産業用ロボットの日本における受容とその社会的影響、「奇跡は誰にでも一度おきる だがおきたことには誰も気がつかない」という謎めいたメッセージ、血管や神経を持った生物であるかのように描かれたロボットの内部構造、人間の悪意の存在するところに必ず現れる謎の虹など、謎めいたメタファーが散りばめられている。

昭和の作品ながら、コンピュータ、ロボットのリアルな描写をヴィジュアルに取り込んでいる。

出典:ja.wikipedia.org

今回まず最初に「わたしは真悟」を読んだわけだが、かなり衝撃だった。
どのへんがまず衝撃でしたか?
連載開始は1982年でしょ? その時点で、コンピューターとロボットに対する視点というは、令和の今から見るとかなり違っていたはずだが、この作品はそのへんの感覚がまったく古くなく、むしろ今でこそ通用するようなコンピューターとロボットに対するその鋭い見方に驚いた。
ほー。

出典:わたしは真悟

あと、主人公さとるとまりん、この二人のダイヤモンドみたいにキラキラ純潔な関係が眩しすぎる。うらやましい。大人になるまえ、少年少女の頃にこーいう美しい愛を感じたかった。
ハハハ(苦笑)。
しかし、一番興奮したのはモンローが神みたいな存在になっていった、あの展開かな。ただラストはちょっと…カタルシスとはいかなかったのが残念。あくまで僕の感想だけど。
そうなんですね。
ラストはもう一度読み返してみようかな? ちょっと難解だったから、再読するとまた見方かわるかも?
ふむふむ。

産業用ロボットが、ある日突然意識を持った!それは、少年さとると少女まりんの純粋な心が作り出した意識でもあった!父親から「うちの会社にロボットが入社する」と聞いたさとるは、興味津々。モンローと名付けられたロボットとさとるは出会うが!?

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【14歳(1990年 – 1995年)】間違いなく楳図かずおの最高傑作はコレだと思う

出典:14歳

人類の破滅をテーマとし、楳図の代表作『漂流教室』の続編ともいえる作品。環境破壊による人類滅亡、危機的状況を乗り切ろうとする子供たちの奮闘、親子の絆と別れといったテーマを圧倒的な迫力で描ききっている。

22世紀、人類は見せかけの繁栄の陰で、迫り来る破滅の危機に直面していた。そんな中突如として鶏肉製造工場の培養槽から、鳥の頭をもつ異形の生物、のちの「チキン・ジョージ」が生まれる。誕生後、チキン・ジョージはあらゆる学問を独学で習得し、その年生まれた子供が14歳になった段階で人類と地球が滅ぶという事を知る。そこで人類による地球の滅亡から逃れる為、動物たちを連れて地球脱出ロケット「チラノサウルス号」を建造する。だが、チキン・ジョージは、大富豪ローズ氏とアメリカ副大統領マーサ・ゴーマンの手先である美女バーバラの魅力に負け、地球に残る事を決断し、自ら大脳の左右を分離して退化の道を選ぶ。

出典:ja.wikipedia.org

ぶっちゃけ、この三作品の中で「14歳」が一番良かった。ラストも感動した。
ほー。
てゆーか、あの最後の世界観というか宇宙観? あれは僕も漠然ともっているもので、ミクロの中にマクロがあって、世界は宇宙はすべて繋がっているみたいな。
哲学的というか、なんというか。
チキン・ジョージという異形の存在のインパクト、物語の壮大さ、人間の業、いつの世も未来を作る子どもたちの存在、そして、ラストの世界観、まさに「14歳」は楳図かずおの最高傑作だと思うぞ。
だそうです。

これから地球崩壊へと突き進むこの物語のキーワードが語られる序章(1)と、主人公、チキン・ジョージの誕生。そして、発見者の繁野が己の命をかけてその存在を隠したことにより、無事チキン・ジョージが成長してしまうまでを描く。

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