温泉の紀行文ですか?
つげ義春が撮影した秋田・乳頭温泉の黒湯
プロフィール:高齢子育て中、飲酒は週末のみ
特技:奥さんをフォローすること(嘘)
プロフィール:ゆとり世代(さとり世代)、独身、潔癖症
特技:インターネット超高速検索
つげ義春と鄙(ひな)びた温泉
つげ義春|ツゲ ヨシハル
1937(昭和12)年、東京葛飾生まれ。子供のころからいくつものアルバイトを経験し、小学校卒業とともにメッキ工場に勤める。その後職を変わりながら、職業としてマンガ家をめざし、1955(昭和30)年に単行本『白面夜叉』で本格デビュー。貸本マンガや子供向け雑誌で活躍。1965(昭和40)年から「月刊漫画ガロ」に作品を発表し、じょじょに注目を集めるようになる。独特な作風で知られ、寡作ではあるが、根強いファンを持つ。
僕もいつかはそういう温泉を巡る旅をしたいなあ
今の日本からは消えつつある風景
本の中で、つげが訪れているのも1960年代~1980年代なんだよね
つげ義春の本を読みながら考えてみよう
つげ義春の温泉 単行本(カタログハウス・2003年)
だが、1990年代以降はマンガを発表していない
水木が死ぬまで新作を発表し続けたの対して、つげの筆は止まっている
新しいマンガを描かないのに、何度も再出版されるつげの著作に水木しげるも嫉妬したという
でも、年齢的には、つげ義春さんの方が水木しげるさんよりお若いですよね
もともとは、つげが水木を手伝っていた関係だからね
そんな寡作のつげだが・・・マンガは廃業状態でも随筆はぽつぽつ発表している
1991年に随筆「貧困旅行記」(晶文社)
そして、2003年に出版された、この「つげ義春の温泉」
つげ曰く「すでにあちこちに掲載されているから」とのこと
つげ義春の温泉 (ちくま文庫・2012年)
青森・岩手・宮城・山形、秋田、福島、関東・甲信、九州・近畿・・・関東から北が多いよね
最初、写真を見ての僕の疑問・・・女性がお風呂に入ってる写真もたくさんあるけど、あれってどうやって撮影したんだろう?
女性っていっても、おばあちゃんばっかだけどね
今なら通報されますよ
じゃないと無理でしょう
つげ義春という人はイケメンだったらしいよ・・・若い頃からつげと交流のあった遠藤政治氏によると、屈託なく女風呂に入って写真を撮っても女性に怒られなかったらしい
青森・岩手・宮城・山形、秋田、福島、関東・甲信、九州・近畿・・・関東から北が多いよね
※文庫本中の「はげの湯」の表記は、山へんに亥
杖立温泉とか、黒川温泉とか、あっちの方
今の「はげの湯温泉」がどうなってるか、そのうち行ってみなきゃね
はげの湯全景 涌蓋(わいた)山麓にある
はげの湯温泉(はげのゆおんせん)は、熊本県阿蘇郡小国町にある温泉。九重連山のひとつである標高1499.5mの涌蓋山(わいたさん)西麓の、のどかな高原状の山地にあり、岳の湯温泉、地獄谷温泉、山川温泉、麻生釣温泉、鈴ヶ谷温泉とともにわいた温泉郷を構成している。
(中略)
その名の由来は、湧蓋山の南斜面の日当たりが良い場所を“はげ”と呼んだことや、温泉の蒸気のために草木が育たない“はげ地”など、いくつかの由来がある。漫画家のつげ義春が昭和40年代に「旅のスケッチ」で描いたこともあったが、当時は地元の人以外、知る人の少ない小さな湯治場に過ぎなかった。その後の秘湯ブームのあおりを受け多くの人の知るところとなり一般客が激増、旅館のすべてと共同浴場は新調され、当時の面影は失せている。
つげ義春さんはマンガと同時に、温泉にまつわる随筆も残しているんだよね
黒湯・泥湯
上州湯平温泉
秩父の鉱泉と札所
下部・湯河原・箱根
伊豆半島周遊
養老(年金)鉱泉
丹沢の鉱泉
くまちゃんは行ったことある場所はありますか?
まあ僕が行ったのは、ぜんぜん鄙びた場所じゃなくて、誰でも行きそうな温泉宿だけどね
観光地として荒らされてないから、鄙びた、廃れた雰囲気を求めるなら鉱泉の方がよいみたいね
※手塚治虫とも交流があったというマンガ家の岡田晟氏のことらしい→出典:スペクテイター〈41号〉 つげ義春(Amazon)
O先生は戦前からキャリアがあったが、貸本専門の三流マンガ家
原稿料は一冊四万円買い切り(今なら三、四十万円くらい)だったけど、つげを助手に半月ほど、現在は廃業した「花乃屋」に泊まったそうだよ
温泉宿に湯治しながら、うだうだ文章を書いたりとか
僕もやってみたい
みんな一緒さ
つげの温泉巡りは逃亡願望?
※文庫版あとがきより引用
温泉好きというと、のん気で気楽な身分のように誤解されることがある。けれど私の場合は行楽としての温泉には関心がなく、昔ながらの地味で面白味のない湯治場に惹かれていた。
そのような偏りは、青くさいことを言うと、なぜかこの現実から逃亡したい思いが無意識に巣喰っていたようで、その不安の癒しを求めて湯治場にこだわっていたのではないかと思える。
古い湯治場はたいてい貧乏臭く老巧化している。ときには乞食小屋と見まごうボロ宿もある。浴客もみすぼらしく老巧化した老人ばかりで、見た目の印象では、“姥捨て”が想像され、その侘しい雰囲気が癒しになるのだった。
つげをめぐる冒険
つげも言ってるけど、貧乏臭く老巧化した施設、そこにたむろするみすぼらしい老人たち・・・それらに囲まれると相対的に和むんじゃない?
どうせ人生なんて、意味もない暇つぶしみたいなもんだから、死ぬまで現実逃避してもいいじゃんって思えば、また生きる気力が湧いてくるかもよ?
つげをめぐる冒険①
岩瀬湯本温泉 pic.twitter.com/VCAOpywSqI— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) 2016年10月10日
つげをめぐる冒険②
二岐温泉
湯小屋旅館
ご主人につげ義春が泊まった部屋を案内してもらった。 pic.twitter.com/xVFYGherpD— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) 2016年10月10日
つげをめぐる冒険③
只見大倉 坂田屋
奥会津はまったくのド田舎にも関わらず、何の需要かこのようなバケモノじみた民宿が点在しており、旅行者を白昼夢のように幻想的な気分に誘う。 pic.twitter.com/hjUTaXzqZ5— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) 2016年10月10日
つげをめぐる冒険④
大塩温泉
ここは共同浴場が建て替えられた以外はあまり変わってないんじゃないですかね pic.twitter.com/i1cUTu5JDt— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) 2016年10月10日
つげをめぐる冒険⑤
早戸温泉 たけのや旅館
つげ義春の本に写真が載っていたことと、浴室が良さげなので大奮発して宿泊しましたが、中の湯旅館の3倍以上のお値段のうえに、カメムシ15匹との乱戦をガムテープで切り抜けねばならないので、正直つるの湯で湯治をすれば良かったと思います。 pic.twitter.com/0GhsUHRE5R— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) 2016年10月10日
つげをめぐる冒険⑧
むつ 九艘泊
下北半島南西のどんづまりにある限界集落まっしぐらの漁村。
つげ義春訪問時は中年女性に抱きつかれたりワイ談が飛び交うなどしていたらしく、俺も大いに期待していったが、婆さんが一人忙しそうに立ち動いているばかりで、これまた物語の生まれる余地はなかった。 pic.twitter.com/rzbU5uZmBo— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) 2016年10月17日
つげをめぐる冒険⑥
むつ 湯野川温泉
下北半島行くだけでもパワーがいるのに、そのど真ん中にあって付近に名所も何もない。『飢餓海峡』で描かれた情緒も薄れ、あまつさえ単純アルカリ性の泉質は他の強烈な青森の温泉場に比べると地味だし、集客要素はどこにあるのかと心配してしまう。 pic.twitter.com/LyokoIkXSQ— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) 2016年10月17日
つげをめぐる冒険⑦
このイラストの光景が見たくて仏ヶ浦そばの牛滝という鄙びた漁村に行ってみた。つげのエピソードでは浜辺のおっさんにウニをご馳走になっていて俺も楽しみにしていたが、野焼きのおっさんに不審に見られるばかりで、物語は生まれそうになかった。 pic.twitter.com/1O5DXRsmjv— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) 2016年10月17日
つげをめぐる冒険⑧
泥湯温泉。
4ヶ月ぐらい前に奥山旅館が全焼して、小椋旅館一軒になった。鄙びを通り越して今後の行く末が心配です。 pic.twitter.com/QOPQGy9PXU— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) 2016年10月31日
つげをめぐる冒険⑨
八幡平ふけの湯
土砂崩れで建屋は消失し地形も大きく変わっているらしく、どこがどこやらよくわからない。 pic.twitter.com/ytQHZXcQBl— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) 2016年11月1日
つげをめぐる冒険⑨
秋田県 湯の神温泉
『景色は平坦で平凡でまったくつまらぬところだった。(中略)お婆さんばかりがゴロ寝をしていた。姥捨の光景を見るようでとても泊まる気になれない。』とつげ義春にもなぜか酷評されている湯の神温泉は現在では更に寂れ、神湯館一棟を残すのみとなった。 pic.twitter.com/S79F7KS0j7— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) 2016年11月20日
つげをめぐる冒険⑩
福島県 湯岐鉱泉
ふんわりとした優しいタマゴ臭、そしてとろみのついた本当にタマゴに浸かっているような鉱泉。温めのお湯なのでいつまでも長湯でき、ポカポカ。郡山、いわき、どこからもアクセスが悪いが、訪れる価値はある。 pic.twitter.com/AxwlBV0xb4— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) 2017年1月30日
昨日のNHKアーカイブス『湯』。映してはいけないはずの霊場湯殿山や、つげ義春のゲンセンカン主人のモデルのひとつ今神温泉の映像が放映されていた。写真でしか見たことのなかった今神温泉。50年前の映像はかなり貴重なんじゃないだろうか。まだ茅葺の建物が並ぶ肘折温泉も映っていた。 pic.twitter.com/VwMZ9TIXBi
— 坂本大三郎 (@daizabu3) 2016年12月19日
北東北を取材でまわっている。古い形態の風呂だといわれるオンドルに入った。蒸ノ湯温泉にはつげ義春もやってきていて、体験を漫画にしている。昔とは建物もちょっと変わったのかも。 pic.twitter.com/HQewyCuytP
— 坂本大三郎 (@daizabu3) 2017年10月21日
つげ義春不朽の名作にして花札まんがの金字塔、かの有名な『オンドル小屋』の蒸ノ湯温泉です。作中の小屋は山津波で亡失した由、温泉は今もものすごい勢いで湧出しています。 pic.twitter.com/FADHWN7bfW
— 高木壮太 (@TakagiSota) 2018年5月15日