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宇宙戦艦ヤマトをデザインしたのは誰なのか?
出典:twitter.com
スタジオぬえの加藤直之氏が語る~誰がヤマトをデザインしたか?
あ、ちょうど良い機会なので説明しますね。このヤマトの絵は、スタジオぬえの宮武一貴が、下書き(形をとって)とペン入れ(線を整理)をおこない、僕がそれに色を塗りました。
ヤマトの絵は、ぬえでは、「カラー」の場合は、基本、宮武が描いていて、僕は色を塗っているだけです。 https://t.co/O0u3zYKXJU
— 加藤直之(スタジオぬえ)クラウドファンディングで天井画 (@NaoyukiKatoh) August 6, 2019
あ、ちょうど良い機会なので説明しますね。このヤマトの絵は、スタジオぬえの宮武一貴が、下書き(形をとって)とペン入れ(線を整理)をおこない、僕がそれに色を塗りました。
ヤマトの絵は、ぬえでは、「カラー」の場合は、基本、宮武が描いていて、僕は色を塗っているだけです。
午後0:14 · 2019年8月6日
追加。このヤマトの絵は、大きな白い紙に「ヤマトだけ」描いてあって、背景は真っ白なままです。 それを広告などで使うときに、その都度、背景を合成しています。
このヤマトの絵(の原画)は、いま松本零士さんのところにあります。
午後0:20 · 2019年8月6日
僕が、宮武の描いた「線画の」ヤマトに色を付けるとき、線だけではわからない曲面の流れなどを、直接、宮武から「口頭で」指示をうけ、陰影や光の反射などの表現を描き加えています。
つまり、宮武が描くヤマトをいちばん理解しているのが僕なのでした。
午後0:25 · 2019年8月6日
こうした共同作業を何年も続けた結果、僕は宮武の線から立体を描き起こすことに慣れていったのですが、あるとき『無限航路』のムック本のカバーイラストを依頼されたとき、資料に用意されていた設定画では宮武の線を読み解くことができず、ぬえに宮武が描いた設定画(原画)を持ってきてもらいました
午後0:31 · 2019年8月6日
描線はそのくらい大事なものなのですが、時として誤解も生みます。それは、発表されたヤマトの絵を見て「このヤマトは加藤さんが描いた」と誤解され、それがアニメ界で定説になってたりしますが、それを今ちゃんと正せる機会が来て、けっこう喜んでいたりします。
午後0:37 · 2019年8月6日
僕自身はヤマトに関わることになったのは、松本零士さんが加わってからなので、ヤマトがどういうふうに出来上がってきたかを殆ど知りません。
この間、モデルグラフィックス誌の表紙にガミラス艦を描いたときもガミラス艦は松崎健一がデザインしたと思っていましたが、実は松本さんのデザインでした。
午後0:40 · 2019年8月6日
これは、先日のSF大会のとき(長年疑問に思っていたので)松崎から直接聞きました。でも、僕はヤマトの企画が進んでいるときにガミラス艦を「迷彩」に塗る仕事を松崎から頼まれたり、断片的には知っていたので、いずれこうした歴史を検証した本が出ると良いな、とは考えています。
午後0:44 · 2019年8月6日
おや〜、結構リツイートされてますね。ではここで本質的なテーマについて書いておきますね。宇宙戦艦ヤマトをデザインしたのは誰なのか。
— 加藤直之(スタジオぬえ)クラウドファンディングで天井画 (@NaoyukiKatoh) August 6, 2019
おや〜、結構リツイートされてますね。ではここで本質的なテーマについて書いておきますね。宇宙戦艦ヤマトをデザインしたのは誰なのか。
午後5:36 · 2019年8月6日
流れとしては、宮武が推薦した小沢さとるさんが西崎さんの依頼を断りピンチヒッターとして参加した松本さんが独自に描いたヤマトのスケッチに宮武が波動砲のアイデアを出して付け加え、松本さんが考えた細部の設定を宮武が小沢さんのギンガギンガギンガの大和のフォルムでまとめあげたのが今のヤマト
午後5:51 · 2019年8月6日
その後、宮武はアンドロメダや、松本さんから独自に依頼されたアルカディア号やその艦載機をデザインし、こうして宮武がデザインした宇宙戦艦の時代が始まります。
それを見ていた僕は、アニメーターさんたちが砲塔の砲身を描くのは大変だろうなと、銀英伝のブリュンヒルトでは砲塔のないデザインにw
午後6:12 · 2019年8月6日
つまり、宮武は、宇宙の戦士のパワードスーツのデザインから派生して生まれたガンダムと、宇宙戦艦ヤマト この日本のアニメのなかにおいてとっても重要な、ふたつの流れのルーツなのですね。
午後6:16 · 2019年8月6日
僕が宮武がペン入れしたヤマトに色を塗るときに宮武からいくつか口頭で指示がありましたが、まず ヤマトの船体は、旅客機の胴体と同じ曲面を持つこと・艦橋とその周りの構造物と胴体との接合部分の角度、そして船底の前にある丸い膨らみのところで、胴体はいちど絞られるようなカーブを描くこと pic.twitter.com/8TyDUWKXxE
— 加藤直之(スタジオぬえ)クラウドファンディングで天井画 (@NaoyukiKatoh) August 8, 2019
色々検索してたら、宮武はヤマトを仕上げたときには小沢さんのギンガギンガギンガはまだ見ていなかった、という話が。ギンガギンガギンガではなく「青の6号」のフォルムでまとめ上げた、ということかもしれませんね(これは僕の、絵描きの目でみた推測)
午前10:22 · 2019年8月8日
出典:twitter.com
僕が宮武がペン入れしたヤマトに色を塗るときに宮武からいくつか口頭で指示がありましたが、まず ヤマトの船体は、旅客機の胴体と同じ曲面を持つこと・艦橋とその周りの構造物と胴体との接合部分の角度、そして船底の前にある丸い膨らみのところで、胴体はいちど絞られるようなカーブを描くこと
午前10:36 · 2019年8月8日
このカーブは、当時、宮武から教えてもらった「ジェット戦闘機は主翼のところで空気抵抗が増加するので、胴の側を絞ることで主翼の抵抗を相殺してる(←しかしそこに空気取入口を配置しているので、外からはわかりづらい)」という話と符合するところがありますね。
午前10:47 · 2019年8月8日
生賴範義さんがヤマトを描いたときには、このカーブが存在せず、だから「変」なヤマトになっちゃったのね。
午前10:49 · 2019年8月8日
生賴範義氏が描いた宇宙戦艦ヤマト
出典:twitter.com
ついでにいうと、むかし、僕がイラストレーターとして仕事をあちらこちらからだんだん依頼されるようになった頃、秋田漫画文庫の、横山光輝さんの「鉄人28号」と、小沢さとるさんの「青の6号」のカバーイラストを担当しています。でも、僕が編集者だったら、高荷義之さんにカバーを頼んだだろうな。
午後3:52 · 2019年8月8日
というわけで、僕が宮武から指示を受けたところはわかるんだけど、後は普段あまり描かないからよくわからない。でも、艦長室の中と外、第一艦橋は松本さんのスケッチを僕が清書したのである程度はわかります。例えば第一艦橋の前の窓枠の形は、プラモデルだと松本さんの設定通りじゃなかったりします。 pic.twitter.com/VBDXUbEEAC
— 加藤直之(スタジオぬえ)クラウドファンディングで天井画 (@NaoyukiKatoh) August 8, 2019
というわけで、僕が宮武から指示を受けたところはわかるんだけど、後は普段あまり描かないからよくわからない。でも、艦長室の中と外、第一艦橋は松本さんのスケッチを僕が清書したのである程度はわかります。例えば第一艦橋の前の窓枠の形は、プラモデルだと松本さんの設定通りじゃなかったりします。
午後9:34 · 2019年8月8日
あ、いま、小沢さとるさんのツイート見たら・・・
青の6号じゃなく、サブマリン707(新しく配備されたほう)だったのかも〜。なんせ40年前に読んだ漫画だからなあ(忘れてる)https://t.co/UtdRtpfF34
— 加藤直之(スタジオぬえ)クラウドファンディングで天井画 (@NaoyukiKatoh) August 10, 2019
あ、いま、小沢さとるさんのツイート見たら・・・
青の6号じゃなく、サブマリン707(新しく配備されたほう)だったのかも〜。なんせ40年前に読んだ漫画だからなあ(忘れてる)
午前11:58 · 2019年8月10日
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週刊少年サンデーに連載(昭和38年頃)していた海洋冒険漫画「サブマリン707」の50周年記念イベントが、ワンダーフェスティバル2013[夏]で開催。小沢さとる氏、メカニックデザイナーの宮武一貴氏による師弟対談も行われたという。
なんとこのイベントでは、あの幻の企画の展示も登場! 小沢さとる先生の未出版作品「ギンガ、ギンガ、ギンガ」、宇宙を航行する戦艦大和「ヤマトワンダー」がこちら!!!
見果てぬ夢に溺れて漫画家を名乗るのもおこがましい老頭児のために寄せられるファンの厚情にボクは幸せ者だと思う 個々に謝意を伝えるのは難しくとも奮い立って“ロボダッチ”と“707”のエンディングストーリィだけは何としても息絶える前に仕立て上げて逝こうの一念が今日を支えてくれる ありがとう!! pic.twitter.com/X5vuLgHeBo
— 小沢さとる (@ozawasatoru2005) July 14, 2019
ガンダムのルーツとなった、SF小説『宇宙の戦士』のパワードスーツのデザイン
良い機会なので、宮武がデザインしたぬえのパワードスーツがどんなふうにガンダムのデザインにつながっていったかを紹介しますね。
パワードスーツの全身は、ガンキャノンへと受け継がれますが、パワードスーツのヘルメットも、ガンダムの頭部のパーツとして、いくつかデザインに受け継がれています。 pic.twitter.com/jaTkAscv68
— 加藤直之(スタジオぬえ)クラウドファンディングで天井画 (@NaoyukiKatoh) August 8, 2019
良い機会なので、宮武がデザインしたぬえのパワードスーツがどんなふうにガンダムのデザインにつながっていったかを紹介しますね。
パワードスーツの全身は、ガンキャノンへと受け継がれますが、パワードスーツのヘルメットも、ガンダムの頭部のパーツとして、いくつかデザインに受け継がれています。
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スタジオぬえ、そして、クリエーターの宮武一貴(みやたけ かずたか)氏と加藤直之氏
スタジオぬえ
1970年、松崎健一を会長に、SFイラストなどを中心とする同人会「SFセントラルアート」が発足。
松崎と他の主要メンバー、高千穂遙(当時は本名の竹川公訓)、宮武一貴、加藤直之は大学卒業を機にプロとしての活動を目指し、1972年に有限会社「クリスタルアートスタジオ」を設立する(初代社長は竹川)。初期は、TVプロデューサーの野田宏一郎に紹介された子供向け番組『ひらけ!ポンキッキ』の美術・イラスト制作を主業としていた。
1974年にクリスタルアートスタジオを発展解消する形で、スタジオぬえへと移行する。
SFマガジンをはじめとして、早川書房の国内外のSF文庫など多数のSF小説、ムック等の表紙・挿画等の制作のほか、SF作品のビジュアル解説も多数手がけ、日本のSFアート分野では武部本一郎らに続く次世代の担い手として認められていく。とりわけハインラインの小説『宇宙の戦士』の挿絵用にデザインしたパワードスーツは、『機動戦士ガンダム』のモビルスーツに大きな影響を与えたとして、今日でも高く評価されている。
アニメーションの分野では『ゼロテスター』で、日本のアニメでは初めて外注のメカニックデザインを担当(ジョン・デドワ名義)。以後『宇宙戦艦ヤマト』、『宇宙海賊キャプテンハーロック』などの松本零士作品や、日本サンライズ(現サンライズ)のスーパーロボット系作品で、サブメカデザインや文芸設定などを担当。映画『スター・ウォーズ・シリーズ』や『機動戦士ガンダム』の影響で日本中にSFブームが広がると、次第に裏方からファンに認知される存在となった。
1980年代には企画業にも進出。とりわけ企画母体として初の原作となったテレビアニメ『超時空要塞マクロス』は斬新な発想で「スタジオぬえ」の名を一躍有名にし、その後も一連のマクロスシリーズを生み出すことになる。また、高千穂遙の小説『クラッシャージョウ』、『ダーティペア』も日本を代表するスペースオペラ作品として、テレビ、映画、OVAでシリーズ展開され人気を博した。
1990年代以降はメンバーの個人活動が中心となるが、今日まで様々なSF作品に関与し続けている。
第50回星雲賞、アート部門受賞の加藤直之氏
加藤直之…イラストレーター/メカニックデザイナー
主な作品は「銀河英雄伝説」シリーズ、「グインサーガ」シリーズ、「宇宙の戦士」等
「宇宙戦艦ヤマト2199」では宣伝ビジュアル協力として、ディスクスリーブや劇場パンフレットのイラストを担当。
最後に・・・日本を代表するメカニックデザイナー、宮武一貴(みやたけ かずたか)氏について
宮武一貴 KAZUTAKA MIYATAKE
スタジオぬえ所属。メカニックデザイナー、イラストレーター、コンセプトデザイナー。SDF-1 マクロス、アンドロメダ、アルカディア号など名立たる宇宙戦艦をデザイン。日本におけるメカニックデザイナー職を確立させた草分け。
出典:tamashii.jp
『宇宙戦艦ヤマト』のアンドロメダ
『キャプテン・ハーロック』のアルカディア号
『超時空要塞マクロス』のマクロス艦
『聖戦士ダンバイン』のオーラバトラー・ダンバイン