【手塚治虫全部読む8】「ばるぼら」街角にいたフーテンの女の子、おれのあん娘は…【1973年ビッグコミック】

サブカル
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1960年代以降、手塚治虫が少年誌・青年誌・大人誌に連載した長編(中編)マンガを順不同でこれから全部読んでいきたい。
今回は1973年、ビッグコミックに連載された「ばるぼら」です。
名前:くま(♂)
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【手塚治虫全部読む8】「ばるぼら」街角にいたフーテンの女の子、おれのあん娘は…【1973年ビッグコミック】

出典:tezukaosamu.net

1973年の日本は、オイルショックで節約志向が強まりつつも、ディスコブームが到来、若者が派手なファッションで踊った。高度経済成長も終わり、物価上昇が話題に。ジーパンが流行し、音楽シーンでは歌謡曲以外にフォークやロックを聴く若者が増えた。

出典:grok3

「ばるぼら(1973/07/10-1974/05/25)」は、1973年から74年にかけて、ビッグコミックで連載された作品です。
僕は1970年代の東京で青春を送ったわけではないから勝手なイメージだが、きっと1970年代の東京・新宿には「ばるぼら」みたい女の子がいたんだろうなあ、たぶん。渋谷じゃなくて新宿ね。
渋谷のまえは新宿が若者の街と呼ばれていたそうです。令和の今は、東京のどこが若者の街か、わかりませんが…(苦笑)。
その街では、気鋭の文化人が夜な夜な酒を呑んで、仲間たちと文学や音楽について語ったり、時には破天荒に大暴れしたり。僕の勝手な憧れ。「ばるぼら」はそんな時代と街が舞台なんだろうなあ、と想像しながら読んでいた。
まさに主人公の男性は芸術家です。

ばるぼら、という名前のフーテンの少女と出会った作家、美倉洋介が、芸術家としての悩みを抱えながら、成功し、名声を得、それを失い、破滅するというのが大筋ですが、こっそりはさまれたビアズレーの線画のような耽美的なカットや、古代の女神像のようなムネーモシュネー、ヴェルレーヌの詩、主に西洋の哲学者や作家の名言、それに退廃的な芸術論が盛り込まれ、随所に文学好きや芸術好きの心をくすぐる仕掛けが施されています。ばるぼらは、美倉にとっては詩をつかさどる女神ミューズのような存在です。彼女に気に入られた芸術家は決まってよい作品を作り、名声を得るが、見捨てられれば必ず落ちぶれる、ということですが、本人は気まぐれでのんべえで不真面目、いつも薄汚れていて、何日もどこかに行っていたり、ある日ふいと戻ってきたり、徹底して自由で、虚飾も規律もないといえば聞こえはいいものの、まるで乞食のよう。なのに、とても魅力的。

出典:tezukaosamu.net

こんな時代に憧れていたんだよねえ。あの時代の東京・新宿で青春を過ごしたかったなあ。…なんて想像しながら、「ばるぼら」を読んだ。
単純比較はできませんが、今の時代とは違った熱気があったのでしょうねえ。
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【1970年代】あの頃、「ばるぼら」みたいな女の子

出典:Amazon

「ばるぼら」読んでて、ディランⅡ(西岡恭蔵)の『プカプカ』の歌詞にでてくる女の子をちょっとイメージした。歌のモデルはジャズシンガーの安田南らしいが。彼女が「ばるぼら」に似ている訳ではない。
時代の雰囲気でしょうか。

あとさ…キャスケットかぶって、水森亜土みたいな。そんなイメージ。
キャスケットって、あのぶかぶかした帽子ですね。

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