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【1968年】高畑勲の監督デビュー作『太陽の王子 ホルスの大冒険』、森康二、大塚康生、宮崎駿ら精鋭スタッフが集う【東映動画】
出典:『太陽の王子 ホルスの大冒険』東映動画(東映アニメーション)
【解説】
1968年“東映まんがパレード(東映まんがまつり)”で公開された長編アニメーション。本作が長編アニーションの監督デビューとなった高畑勲による演出に加え、場面設計・原画に宮崎駿、作画監督に大塚康生、原画に森康二といった当時の東映動画スタジオの精鋭スタッフが手掛けた長編アニメーション。太陽の剣を託された少年ホルスが、少女ヒルダや動物たちと出会い、悪魔と戦うために村人と団結する冒険物語。一貫したテーマ、登場人物の心の葛藤、幻想的な映像表現など大人の鑑賞に堪える傑作と評価を受けた。総作画枚数150,000枚、平幹二朗、市原悦子らの豪華俳優による共演も見逃せない。東映動画(現・東映アニメーション)創立20周年記念作品。【ストーリー】
岩の巨人モーグから“太陽の剣”とよばれる名剣を手に入れ、人間たちを脅かす悪魔グルンワルドを退治するために旅に出たホルスは悪魔に狙われた村を救い、そこでホルスは可憐な美少女ヒルダに出会うが…。【キャスト】
平幹二朗/市原悦子/東野英治郎/三島雅夫/永田靖/大方斐紗子/横森久【スタッフ】
製作:大川博
企画:関政次郎、相野田悟、原徹、斉藤侑
脚本:深沢一夫
演出:高畑勲
作画監督:大塚康生
美術:浦田又治
場面設計・原画:宮崎駿
音楽:間宮芳生
【公開日】1968年7月公開
ガンコじいさんの表情はまさに東野英治郎!
出典:『太陽の王子 ホルスの大冒険』東映動画(東映アニメーション)
※東映アニメーション公式より引用
海辺に父と二人で住むホルスは、岩男のモーグの肩に刺さっていた二本の剣を手に入れた。
その剣は太陽の剣と呼ばれる名剣で、その剣を鍛え上げ、使いこなせるようになった時、ホルスは太陽の王子 とよばようとモーグは言う。
父を失ったホルスは、一切合切を焼くと、父の遺言に従い人々のいる北の村に向かってコロとともに舟出した 。再びこの地に帰ることはない。
途中ホルスは悪魔グルンワルドに弟になれと誘われるが断って、崖から落とされてしまう。ホルスは 倒れたまま流氷にのって村に流れ着いた。
ホルスは村の一員として受入れられるかに思えたが、グルンワルドのたくらみで村に送り込まれた一人の 少女ヒルダのために、村人達の不信を買い、とうとう村を追い出されてしまう。悪魔が勝つかに見えた。
しかしヒルダの心の奥底には、密かに人間らしさへの憧れが兆していた。悪魔の攻撃が始まった。ホルスは 人々を励まし、力をあわせて太陽の剣を鍛え上げ、ついに悪魔を倒した。ヒルダも仲間に受け入れられる。
魔力で作り出された巨大な氷のマンモス。グルンワルドを頭に乗せて運び、村を踏みつぶす。
【心の中の悪魔】今なお褪せぬヒルダの冷たい輝き
出典:『太陽の王子 ホルスの大冒険』東映動画(東映アニメーション)
いまさらだがヒルダというヒロインに戦慄している…#高畑勲 #森康二 #小田部羊一 #奥山玲子 #大塚康生 #宮崎駿
太陽の王子 ホルスの大冒険
1968年7月21日公開(82分)https://t.co/jFN1U3KHpQ pic.twitter.com/yO4Yqbwdn8— 熊本ぼちぼち新聞 (@tomitokocom) January 26, 2025
ヒルダ
声:市原悦子、キャラクターデザイン:森康二
15歳。孤独な少女。悪魔グルンワルドの妹。グルンワルドに滅ぼされた村の生き残り。グルンワルドに授けられた「命の珠」により永遠の命を持つ。歌によって人の心を魅了するが、自分自身の心の歌は歌えない。グルンワルドの手先として行動し人々に不和を芽生えさせる。人間の心と悪魔の心の間で常に葛藤している。
ヒロインのヒルダに従来のアニメ作品にはなかった描き方をしたことで、本作は公開終了後も上映会が開かれるようになった。アニメーション愛好者サークル「東京アニメーション同好会」(アニドウ)を主宰するなみきたかしは、「公開時に観た僕の世代は、みなヒルダにイカレてしまった。それは可愛いとか萌えとかいうものとは断じて違う。二次元の作られたものではなく、考え行動する、そして主張を持った一人の人間を感じて、忘れられない実在の人物となったものなのだ。」と述べている。
ヒロインのヒルダは、やさしいホルスを殺そうとする。
白フクロウのトト(横森久)はヒルダの悪魔の心の象徴、子リスのチロ(小原乃梨子)はヒルダの良心の象徴。
出典:『太陽の王子 ホルスの大冒険』東映動画(東映アニメーション)
悪い顔のヒルダ。
出典:『太陽の王子 ホルスの大冒険』東映動画(東映アニメーション)
ヒルダの心には悪魔が寄り添っている。
出典:『太陽の王子 ホルスの大冒険』東映動画(東映アニメーション)
ヒルダと白フクロウのトト。
出典:『太陽の王子 ホルスの大冒険』東映動画(東映アニメーション)
悪魔グルンワルドと妹ヒルダ。
出典:『太陽の王子 ホルスの大冒険』東映動画(東映アニメーション)
雪狼に襲われ、力尽きていくヒルダ。雪狼の動きは幼子のトラウマになりそう…。
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出典:『太陽の王子 ホルスの大冒険』東映動画(東映アニメーション)
【高畑勲と宮崎駿、旅の始まり】1980年代から再評価の声、年を経るにつれてその真価が認められ東映アニメの代表作となっていった…
のちの「未来少年コナン」を予感させる。
出典:eiga.com
※抜粋
公開は1968年7月21日、上映時間82分、シネスコ(東映スコープ)。『東映まんがパレード』(のちの『東映まんがまつり』)の一本として上映された。アイヌの伝承をモチーフにした深沢一夫の戯曲(人形劇)『春楡(チキサニ)の上に太陽』を基とし、舞台を「さむい北国のとおいむかし」として製作された。
制作トップに立った高畑勲にとっては初めての監督作品(当時東映動画では監督という言葉は用いず監督業を演出と呼称していた)。興行的な成功には縁遠かったとはいえ、高畑が中編・長編アニメに進出する足がかりとなった。宮崎駿が本格的に制作に携わった初めてのアニメ作品でもある。
※東映アニメーション公式より引用
さまざまな困難の中で、3年の歳月と作り手たちの持てる技術と労力の限りを尽くして作り上げた 日本アニメーション映画史に燦然と輝く傑作。
にもかかわらず、公開当時漫画映画なのに笑えるところが一つもないとか、 詰め込みすぎて余裕が無さ過ぎるという評があったり、ちっともお客がはいらなかったりで、散々であったが、 年を経るにつれてその真価が認められ、東映映画の代表作となったのだ。
1980年代には、関連書籍が複数刊行、アニメージュでも特集記事が組まれ再評価が大きく進んだ。
映画の冒頭、ホルスと狼たちが戦うシーン。
ホルスの父親らしいが、かなりの高齢にみえる(苦笑)。のちの「未来少年コナン」に登場したおじいとコナンのよう。
大カマス(大塚康生デザイン)はグルンワルドの手下。村の川下の滝つぼに棲む。魚の遡上を阻害し村に飢えをもたらした。
氷マンモスのデザインは宮崎駿による。
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