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【1976年発売開始】マルタイ『長崎ちゃんぽん』こそ最高のカップ麺である!
出典:Amazon
昭和51年に発売したカップちゃんぽんのパイオニア商品です。植物油脂100%でフライした弾力のある太めんに、ポークエキスやいかエキス、スパイスをブレンドした、旨みが詰まったちゃんぽんスープです。キャベツ、ニンジン、コーン、カマボコのかやく付き。
マルタイ劇場「ぽんちゃん」篇2021
東京砂漠でマルタイ『長崎ちゃんぽん』を探し求め続けた関西人
Amazonのレビューより
出典:Amazon
【哲学】マルタイ『長崎ちゃんぽん』は「本場の味を追求」そして「変えない文化」
「長崎ちゃんぽん」九州のメーカーとして、開発しないわけにはいかない
福岡県に拠点を置く食品加工会社マルタイの代名詞といえば、ストレート麺が縦長の袋に入った「棒ラーメン」。マルタイ創業者の藤田泰一郎氏が「手軽に食べられる、食堂で食べるラーメンの味を家庭に持ち込みたい」との思いから1959年に商品化された。藤田氏の思いを受け継ぎ開発されたのが、1976年に即席カップ麺商品で初めてのフレーバーとして開発された「長崎ちゃんぽん」だった。日本のちゃんぽん発祥の地は九州・長崎。九州に地盤を置くマルタイが商品開発にチャレンジしないわけにはいかなった。
九州地盤だからこそ
日本初の即席カップ麺は、1971年に発売された日清食品の「カップヌードル」。その後、東洋水産の「カップ天ぷらそば」が1975年に、日清食品の「どん兵衛」が1976年に発売され、カップ麺市場をラーメンと、うどん、そば商品が席巻していた。
大手企業が関東や関西地域などの大消費地でシェアを獲得している中で、九州地域を地盤にするマルタイが真正面から勝負をしても厳しい。新ジャンルで商品開発できないか模索していた。マルタイの本社がある九州でラーメンといえば豚骨ラーメン。同社は豚骨ベースの白いパイタンスープを使った即席袋麺「屋台ラーメン」を1969年に発売していた。ちゃんぽんスープのベースとなるのは、同じくパイタンスープ。「長崎ちゃんぽん」を製造するための下地はあった。「(当時)長崎ちゃんぽんは、それほどメジャーな商品ではなかったが、九州に地盤を置く食品メーカーとして、ちゃんぽんを商品化しようという声があがった」(宮本寛之東京営業所所長)。創業家の身内に長崎出身の人がいたため、長崎ちゃんぽんを詳しく知ることができた幸運もあった。また、藤田泰一郎氏の経営理念である「手軽さ」を実現するために、同社で初めて、どんぶり型のカップを採用することに決まった。
本場の味を追求
スープの基本となる商品がマルタイにあったとはいえ、ちゃんぽんをカップ麺で再現する例は業界を見渡しても存在しなかった。「創業当初から“生の味”にこだわっていた」(宮本所長)マルタイの開発部員は、本場の味を確かめるために、長崎の街に繰り出し、評判の店に通いスープの味を確かめる日々が続いた。
開発の様子。当時、ラーメンとはまったく異なる麺を製造する感覚だったというまた、ちゃんぽんの麺は「ラーメンで使われるものより、太くコシがあり、つるっとしたのど越しが大切になる。似ているようでまったく異なる麺の開発が必要だった」(前川かおり東京営業所主任)。数種類の小麦粉を混ぜてちゃんぽん用の麺をつくるが、どの小麦粉を使い、また何種類を混ぜ合わせたらいいか試作と失敗の連続だった。「製造ラインこそカップ型ラーメンと同じだが、まったく種類の異なる麺を製造する感覚だったと聞いている」(同)という。
もう一つの難点が、長崎ちゃんぽんは原価率が高い商品だったことだ。長崎ちゃんぽんの“売り”の一つは、麺の上にのせられたイカやキャベツなどの豊富な具材にある。だが、具材をふんだんに使えば製造原価が高くなってしまう。原材料費を価格転嫁できれば問題ないが、創業者・藤田泰一郎氏の「『本場の味を手軽に』との思いから、通常のカップ麺と同じ価格帯に設定した」(同)。高い原価率は製造工程を工夫し効率化することなどである程度は吸収できた。
屋台骨のひとつに
1976年9月に即席カップ麺として初めてとなる「長崎ちゃんぽん」は発売された。“とんこつ文化”のある九州・山口地域では人気を博し「同地域で全体の売上高の約9割を占めた」(宮本所長)ほどだった。だが、関東など白濁したパイタンスープに馴染みのない地域に広がるのには時間を要した。「原価率が高い商品ということもあり、販売促進費に多額を使うことができなかったことも要因としてはある。もっとも、マルタイは元来、地味な会社。TVCMなどの派手な販促活動をあまりしてこなかった。おいしい商品を地道に売っていこうと考え、急激に広げていく販売戦略は採らなかった」(同)。
本場の味に近づけた即席カップ麺「長崎ちゃんぽん」を地道に販売していった結果、徐々に口コミで広がり売り上げは伸びていった。2012年3月期の商品単体の販売数量は「約120万ケースで、売上高構成比でみると約17%。近年は20%前後」(同)で推移しており、マルタイの屋台骨の一つとなった。
“変えない”文化
即席カップ麺「長崎ちゃんぽん」は発売以来、微調整はするものの、発売当初の味を守っている。健康志向の高まりから、麺を熱風乾燥させるノンフライ製法がブームになっている商品群の中にあって「長崎ちゃんぽん」は今でも当時からの油揚げ製法で製造する。日本即席食品工業協会によると、高温の油で揚げると30-40%あった麺の水分が3-6%になるという。水分が一気に蒸発するため、麺に孔ができスープが麺に染み込みやすい利点が油揚げ製法にはある。だがそれ以上に、マルタイには「昔ながらの味を“変えない”文化がある。この味だから、カップ麺『長崎ちゃんぽん』はパイオニアになれた。お客さまからマルタイの『長崎ちゃんぽん』が長崎ちゃんぽんの味と思ってもらえるようになった」(宮本所長)と、ヒットの要因を分析する。
売上高構成比で20%前後を占め、マルタイの支柱の一つになった即席カップ麺「長崎ちゃんぽん」。近年では関西より西の地域での売り上げが9割近くになるという。今後は売り上げ拡大が見込める関東・東北・北海道での攻勢を強める。そのために、東京営業所の人員を徐々に拡大し、08年には3人だったのを12年4月には 7人体制に整えた。宮本所長は「長崎ちゃんぽんは全国的な食品になってきたが、まだまだ食べたことがない人がいる。即席カップ麺『長崎ちゃんぽん』だけでなく、棒ラーメンや黒豚とんこつラーメンなど多彩なラインアップを提供し、認知度を高めていく」と発奮する。
「ちゃんぽんの麺はのど越しが大切」と語る東京営業所主任の前川かおりさん
【最低2個は常備】週に一度は職場でカップ麺、マルタイ『長崎ちゃんぽん』を食べる
マルタイ『長崎ちゃんぽん』、調味油は蓋の上に置いて温めるのは基本ですな。