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藤子・F・不二雄のSF短編『流血鬼』とは・・・?
出典:『流血鬼』藤子・F・不二雄
流血鬼
「流血鬼」(りゅうけつき)は、藤子・F・不二雄(発表時は藤子不二雄名義)の短編漫画。
リチャード・マシスンの小説『アイ・アム・レジェンド』を原案としており、同作でも用いられた自分以外のほとんどの人間が吸血鬼になってしまった逆転世界を題材にしつつ、まったく異なる展開と結末を描いている。
【パンデミック後の世界】SF短編『流血鬼』を読む
※ネタバレ注意
ルーマニアから発生した「マチスン・ウイルス」による奇病は、ヨーロッパ、アメリカと広まりつつあった・・・。
出典:『流血鬼』藤子・F・不二雄
やがて日本でも、ウイルスが流行し始める。身近な日常にも不穏な影が。
出典:『流血鬼』藤子・F・不二雄
ウイルスに怯えるガールフレンドだが、彼女が物語のカギを握る。
出典:『流血鬼』藤子・F・不二雄
日本でもウイルスはあっという間に広がってしまう。吸血鬼たちがウィルスをガス状にして散布したのだ。
出典:『流血鬼』藤子・F・不二雄
たまたま親友とその兄と共に釣りに出かけていた主人公は、両親や近隣住民も吸血鬼と化した街から親友と共に小さい頃に遊んだ秘密の洞穴に逃げ込む。
出典:『流血鬼』藤子・F・不二雄
親友と共に、木の杭と十字架で吸血鬼たちへの抵抗を始める主人公だが、ついに親友も捕まってしまう。
出典:『流血鬼』藤子・F・不二雄
ついに一人となり絶望する主人公の前にガールフレンドが現れるが、彼女はすでに吸血鬼となっていた。
出典:『流血鬼』藤子・F・不二雄
主人公を救いたいと訴える少女は、正論をかざす主人公に、「わたしたちを吸血鬼とよぶなら、あなたたちは流血鬼よ」と非難する。
出典:『流血鬼』藤子・F・不二雄
この辺の発想の転換は、藤子・F・不二雄の真骨頂である。
出典:『流血鬼』藤子・F・不二雄
話の通じない主人公に対して、ついに実力行使にでる少女。吸血鬼いや新人類の前に旧人類は無力であった。
出典:『流血鬼』藤子・F・不二雄
ラストシーン。偏見をもっていた吸血鬼の世界こそ、まさに輝かしい新世界だった。親友、ガールフレンドとともに新しい世界の始まりに喜びが溢れる。
出典:『流血鬼』藤子・F・不二雄
※ウィキペディアより
概要
本作では、ルーマニアから広まった謎の奇病によって、主人公たち以外の人物が吸血鬼になってしまう。主人公たちは木の杭で吸血鬼たちを殺害し、抵抗を始める。だが、実は吸血鬼たちは新たな環境に適応した新人類といえる存在であり、自分たちの仲間を増やす以外に他意は無く、主人公たちに危害を加えようとしているわけではなかった。旧人類である主人公たちは吸血鬼ら新人類を自身らに害をなす怪物とみなし、吸血鬼狩りは正義に基づく行為であると信じて疑わない。一方、吸血鬼側は主人公たちが行う吸血鬼狩りを侵略行為と非難し、残虐な殺戮者として「流血鬼」と呼ぶ。
作中のウイルス名からも示唆されているように、本作はリチャード・マシスンの小説『吸血鬼 (地球最後の男)』の翻案であり、それに影響された藤子・F・不二雄の価値観の逆転の発想がうかがえる。最後の人類として残された主人公たちは吸血鬼たちを危険な異分子として認識し、それらの死をもって排除することもいとわない「正義の闘争」を決行する。しかし、奇病に感染したことによって吸血鬼となった新人類たちの立場から見た場合、それは少数だけが残った旧人類による単なる殺戮行為にすぎない。この二元的観点から見た善悪の境界や入り混じる価値観のギャップが、本作の特徴かつ見所となっている。
SF短編『流血鬼』は、「藤子・F・不二雄SF短編集 PERFECT版5 メフィスト惨歌」(2000/11/24発売)に収録されています。
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この記事はすごい
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「封じ込めすぎて次の冬にピークが来ると大変なので夏に来るようにする」というのがもう、イギリスって感じhttps://t.co/FvN7bbxwlR
— 市川 衛 @医療の「翻訳家」 (@mam1kawa) March 13, 2020
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