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【因縁】世界の北野武監督に酷評された映画『稲村ジェーン』
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この映画、主演の加勢大周が、劇場公開の翌年に事務所からの独立で揉め、前事務所から芸名差し止めを食らって裁判沙汰になったり、なにより監督であった桑田自身が、識者の映画評に気を病んだりと残念なことが多く、それだけが原因ではないにせよ未だに DVD 化されていないというレアな代物である。
後に桑田本人も「映画としての出来はイマイチだったと思う部分はある」と語っていて、批評家からの評価があまり良くなかったのは事実だが、映画自体は1990年度の日本映画配給収入年間ランキング4位、観客動員数350万人を記録していて、興行的には成功した作品と言える。
当時、先に映画監督として華々しくデビューを飾っていた北野武は、自身の映画批評本『仁義なき映画論』にて、この『稲村ジェーン』を酷評している。
「音楽映画なのに邪魔なセリフがありすぎて音楽を殺している」
という感じで、遠回しに音楽は絶賛していたのだが、映画すべてを非難されたと感じた桑田は週刊誌上で反論――
その1年後、北野は『あの夏、いちばん静かな海。』という、聴覚障害を持った男女の淡い心の機微を題材にしたサーファー映画を撮る。これは『稲村ジェーン』とは対照的で、主人公にセリフがなく、淡々と映像と音楽をメインに作られた異色作品だ。
さらにその後、北野映画『DOLL’S』(2002年)では、夜店に飾っている風車の横を主人公とヒロインが通り過ぎるという『稲村ジェーン』と全く同じアングルの映像を組み込んでいる。ちょっと嫌味っぽくも取れるけれど、僕にはこれが北野流の桑田佳祐へのリスペクトなんじゃないかな? と思えるのだ。
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【あらすじ】長らく封印されてきた、桑田佳祐監督『稲村ジェーン』(1990年公開)とは…
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1990年に公開され、約350万人を動員した同作は、1964年に開催された『東京オリンピック』の翌年の神奈川・鎌倉の稲村ヶ崎を舞台に、ヒロシ、マサシ、カッチャン、波子の奇妙な友情を描いた作品。稲村ヶ崎に帰ってきたヒロシ役を加勢大周、ボスの骨董壺を横流ししたマサシを追うチンピラ・カッチャン役を的場浩司、波子役を清水美砂、マサシ役を金山一彦が演じた。桑田監督は音楽も手掛けており、主題歌にサザンオールスターズ“真夏の果実”、挿入歌に“希望の轍”などを使用。1991年にレーザーディスク、VHSがリリースされて以降は、観ることがほぼ不可能な作品となっていた。
【評価】映画『稲村ジェーン』から誕生した、めくるめく名曲の数々、そして美しい映像たち…
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【ちょっとゴシック】加勢大周と清水美沙(清水美砂)は今…?
こちらは2019年に、デイリー新潮の企画で、石田純一氏とともに久しぶりに公の場に登場した加勢大周氏。
【2021年6月25日】30年の時を経て…桑田佳祐の中で静かに熟成したまさに「真夏の果実」、映画『稲村ジェーン』がBlu-rayで蘇る!
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今から約30年前。まだまだひよっこの私が監督のみならず、欲張って主題歌や音楽もやってしまったという、若気の至りの極致ともいえる作品。そんな「稲村ジェーン」が今更ながら作品化されるとのこと。うれしくもあり、同時に恥ずかしい気持ちもいっぱいです。
あのとき映画を作らせて頂いたこと、そして同時に並行して音楽も作ったことなどは、我が人生を振り返っても本当に大きな経験であり、大切な財産となりました。計り知れないほど沢山のものを習得出来ましたし、その後の私にとって大いなる糧になりました。あの時関わっていただいた皆さんには、ただただ、感謝の想いで一杯です。本当に、ありがとうございました!!
映画そのものの出来?これは全て監督であるアタシの責任であります(汗)‼どうか大目に見てやってください。
「暑かったけどヨゥ、短かったよナァ、夏。」
そんなふうに感じられる季節が、どうか今年は皆様のもとにやってきますように!!桑田佳祐
桑田佳祐 監督映画『稲村ジェーン』Blu-ray&DVD 2021.6.25リリース決定!