Netflix『全裸監督2』、見終わったぞ。人の感想を読む前に、僕の率直な感想を語らせていただく。
名前:くま(♂)
プロフィール:高齢子育て中、飲酒は週末のみ
特技:奥さんをフォローすること(嘘)
名前:カエル(♂)
プロフィール:ゆとり世代(さとり世代)、独身、潔癖症
特技:インターネット超高速検索
あの時代、まさに僕も青春の真っただ中! すべてが懐かしい!
【1990年代初頭】僕もアダルト業界の末端にいたのかも?【アダルトビデオショップ】
出典:Googleストリートビュー
懐かしいなあ。ここに昔レンタルビデオ店があったんだよ。
どこですか? 東京ですよね? 今はこの風景の中にアダルトビデオ店はありません。
ま、都内某所ということで(笑)。大学を卒業して…ちゃんと就職しなかった僕がアルバイトしていたのは、アダルト比重の高いレンタルビデオ店、通りをはさんで、そちらはふつうのレンタルビデオ店だった。レンタルビデオ店全盛期だったね。僕が働いていたアダルトビデオの多いレンタルビデオ店には、かの団鬼六先生がお客さんとしてふらっと来店したりしてたんだぞ。ちょっとだけ会話させていただいたのはいい思い出。
という訳で、アダルトビデオ全盛のあの時代、僕も末端にいたということで。
なおさらNetflix『全裸監督2』が楽しめるということですね。
あの時代に大人気だった吉田栄作も年輪を重ね、銀行員役で登場。完璧な役作りに最初まったく気づきませんでした(笑)。
出典:Netflix『全裸監督2』
【ナイスですね!】村西とおるは山田孝之か? いや、福山雅治か?
出典:Netflix『全裸監督2』
最初、村西とおるは、福山雅治に自分の役をやらせたかったんだって(笑)。
ご本人からの大胆な提案ですね(笑)。残念ながら、福山雅治さん演じる村西とおるさんは実現しませんでしたが、山田孝之さんが演じて大成功でした。
でもさ、山田孝之もかなり村西とおるに寄せていたとはいえ、本物はもっとエグイし、間違いなく絶対一緒に仕事したくない上司の類だぞ。このエネルギッシュな昔の村西とおるの写真みてみ?(笑)
出典:zhuanlan.zhihu.com
Netflix『全裸監督2』をすべて見て感じたけど、これは村西とおるの物語であると同時に黒木香の物語だな。そして、黒木香の物語であるがゆえ、村西とおるは主役は福山雅治にしてほしいと最初に提案したんじゃないかな?
福山雅治ほどの存在感のあるイケメンと対峙してこそ、より黒木香の存在価値が高くなるってこと。不幸にも違う道を歩むことになった、村西と黒木だけど、村西は今でも最大級に黒木を評価してるってことだよ。自惚れて自分役を福山雅治にと言ったのではなく、黒木香が惚れる男は福山雅治クラス、それでこそ説得力があると思ったんじゃないかな? ま、結果的には、山田孝之で大正解だったんんだけどね。
Netflix『全裸監督2』は、村西とおるの物語である以上に、世間から姿を消した黒木香の物語をきちんと完結させるための作品である。僕はそう思ったよ。
車の中でケンタッキー・フライド・チキンをバクバク食べ、ゴミをポイ捨て。これは村西の性格というより世相、時代か。こういう演出もNetflixならでは。地上波じゃやれないでしょうね(苦笑)。
出典:Netflix『全裸監督2』
【ほら貝を吹く女神】黒木香という幻、青春の幻影
出典:toyokeizai.net
黒木香は、あの時代に咲いた「徒花(あだばな)」だったと言ったら怒られるかな?
Netflix『全裸監督2』では、デパートの美容部員だった千葉ミユキ(恒松祐里)が、「黒木香(森田望智)」と入れ替わるように新しい女神「乃木真梨子」となっていく。
出典:twitter.com
その後の乃木真梨子についてはこちら→【全裸監督2】村西とおるの史実を辿る~AV監督前夜、クリスタル映像時代、ダイヤモンド映像時代、その後【2021年6月24日よりNetflixにて全世界独占配信中】
メイク担当小瀬田順子(伊藤沙莉)も、時には村西ばりにアダルトビデオのカメラを回し、時には黒木香に寄り添い、印象に残ったキャラクターのひとりでした。
出典:Netflix『全裸監督2』
黒木香は時代に先駆け、女の性を開放させるきっかけを作った女性のひとりだから、決して徒花なんかじゃないと言われるかもしれないけど、あの時代に華やかに咲いて消えていったタレントであり、物語をあらためてみると、なんかやっぱり幻のような人だったな、と。
今ももう、完全に人々の前から姿を消しました。むしろ、消えることで、AV女優の「人権」と「プライバシー」へ問題提起をした人です。
2004年4月、引退後の雑誌での消息記事や出演アダルトビデオ作品の再版がプライバシーおよび肖像権の侵害に当たるとして、出版社の講談社・光文社・小学館・徳間書店・双葉社、およびDVD販売会社のオブテイン・フューチャー社に対して損害賠償などを求める民事訴訟を起こした。このうち徳間書店(一審判決時点の社名は「芝ホールディングス」、『アサヒ芸能』の発行元)に対しては2006年5月に一審で勝訴したことが報じられている。また小学館(『女性セブン』および『週刊ポスト』の発行元)に対しては2007年4月に一審で勝訴、2007年11月に二審でも勝訴し、損害賠償額の増額を求める黒木側の上告が2008年1月に棄却されて二審判決が確定したことが報じられている。
出典:ja.wikipedia.org
ねー。僕は、Netflix『全裸監督2』は、その黒木香に再注目させつつ、彼女の物語を終わらせる役目も持った作品になったと思ったよ。
村西が登場する「リゲイン」のCM。当時の文化と虚構が入り混じっています。
出典:Netflix『全裸監督2』
村西の衛星放送進出を阻む、サテライトイースト社の海野晃一(伊原剛志)は落合信彦ばりに世界を飛び回り、「アサヒスーパードライ」のCMに登場。
出典:Netflix『全裸監督2』
キャロル・キングの「イッツ・トゥー・レイト」も印象的にドラマを盛り上げた。
【生きていればいい】30年数年の刻(とき)を経て、Netflix『全裸監督2』が終わらせた黒木香の物語【ナイスです!】
出典:www.cinematoday.jp
うん、きっとそうだよ。Netflix『全裸監督2』は見事に黒木香の物語を終わらせた。
今にして思えば、黒木香という女神が現れなかったら、村西とおるの今の評価もなかったかもな。ただの破天荒なアダルトビデオの監督で終わっていたかも。彼女とともに黒木香という虚像を作り上げたからこそ、こうして時代に名前が残ったといえよう。
だから、今回のNetflix『全裸監督2』は、虚実おりまぜた脚本であったにせよ、黒木香本人に許可をとってあったかどうかわからないにせよ、アダルトビデオの女王の終わりを描き切るという役割を果たした作品として、黒木香もひそかに認めていると思うぞ。たぶんね。
村西から追放された荒井トシ(満島真之介)、歌舞伎町を支配する暴力団となった古谷伊織(國村隼)の女サヤカ(西内まりや)、台湾マフィア襲撃のシーンは怖かった…。
出典:Netflix『全裸監督2』
蛇足だが…僕も東京時代にとあるスナックで飲んでたら、中国人だか台湾人だかの集団が喧嘩を始めた。お店で働いていた馴染みの女の子と僕は、ここにいるとヤバいから逃げろと言われて、急いで店を飛び出したことがある。いやはや、あの怖い経験を思い出したぞ。
【転がる石のように】死にたくなったら下を見ろ!俺がいる!
出典:www.advertimes.com
村西とおるの名言がある。「死にたくなったら下を見ろ!俺がいる!」
このドラマを見終わった後には、きっと説得力が増しますね(笑)。
昨今のポリティカルコレクトネスとは相容れない、真逆の主人公、真逆のドラマでした。それゆえ惹かれた人も多いんでしょうね。特にくまちゃんみたいな世代とか。
村西とおるにも、Netflixにも、これからも時代に風穴をあけるようなモノを頼む!期待しているぞ!
村西とおるさんはもうおじいちゃんですから(苦笑)。Netflixや山田孝之さんに期待しましょう!
興味を持った方、ざっくりとしたあらすじはこちら。画像をクリックすると、各話のあらすじを確認できます。
出典:www.netflix.com
童貞の助監督・三田村(柄本時生)と、AV女優奈緒子(冨手麻妙)の関係も良かったです。
|
> |
出典:Netflix『全裸監督2』
村西とおるとはまた違った感性でエロを追求した川田研二(玉山鉄二)に共感した人も多いはず? 少なくとも僕はそうでした(笑)。
出典:www.moviecollection.jp