またたび‐もの【股旅物】
小説・演劇・映画などで、各地を流れ歩く博徒などを主人公にして義理人情の世界を描いたもの。昭和初頭から使われるようになった語。
出典:kotobank.jp
出典:劇画・長谷川 伸シリーズ 関の弥太ッぺ (イブニングコミックス)
プロフィール:高齢子育て中、飲酒は週末のみ
特技:奥さんをフォローすること(嘘)
プロフィール:ゆとり世代(さとり世代)、独身、潔癖症、シニカルな視点は世代のせい?
特技:インターネット超高速検索
あの小林まことが描く、大衆文学の父・長谷川伸(はせがわしん)の世界
「瞼の母」より、番場の忠太郎
長谷川伸シリーズを終えて(小林まこと)
私は漫画家のくせにマンガチックなものが苦手だ。子供の頃から子供向けのものが好きではなかった。小学生の頃「怪獣大戦争」という映画を観に行き、ゴジラが「シェー」をする場面を見て、私は眉間にしわを寄せて「いかんなぁ・・・・・」と、ハナをたらしながらつぶやいたものである。きっとみんなもそう思っているはずだ、と思っていたが、なぜか70年代後半くらいからおかしな事になってきた。男が少女漫画を読み、20才(はたち)過ぎたいい大人がアニメを語るようになってきたのだ。私は混乱した。なぜ「昭和残侠伝」を観ないんだ!!と。しかしその流れは加速し、世の中、私の苦手なもので溢れかえり、私の好きなものはどんどん消えていった。そして私はストレスが溜まる。そして、ときどき「仁義なき戦い」を観る。すると、血まみれでのたうち回って戦う男達を見て、スゥ~~ッと心が癒されていくのであった。きっとみんなもそう思っているのだろう、と思っていたが、そんな奴はめったにいないという事が、最近やっとわかってきた。こうなったら自分で描くしかない。描くなら、長谷川伸しかない。私が好きなものの原点だからだ。
出典:劇画・長谷川 伸シリーズ 瞼の母 (イブニングKC)
小林まことさんのマンガはハズレがないと言われます
僕も、これは絶対間違いない、そうピンときたよ
先日知って、即買い
いやあ、よかったねえ・・・
どちらかというと、1980年代、子どもの頃の僕はマガジン派ではなくサンデー派だったからね
1990年代、小林まこととハロルド作石の区別もあんまりついてなかったくらい(笑)
これまであまり読まなかった小林まことのマンガ、昭和の任侠もの、さらには、その奥にある股旅モノ、時代劇・・・興味あるねえ
人の才能がもっとも輝くのはいつか?
若い時だろうか? 若い時は、確かにエネルギーと勢いはある。でも、技術はまだない。歳をとってくると、技術はある。でも、若い時のようなエネルギーと勢いはなくなってしまう。勢いと技術、そのバランスがもっともよくなった時に、作家は一番輝いている。
劇画・長谷川伸シリーズは、1巻ごとに完結する形式で描かれ、合計4作品出た。1年1作よりもちょっと遅いペースで描かれた。僕が以前レビューを書いた『青春少年マガジン 1978~1983』の後に、取り組んだシリーズだ。長谷川伸シリーズは、今の時代のペースに合った形で連載された訳ではなく、4作品とも、世間を賑わしたとはいえない。『1・2の三四郎』『柔道部物語』のファンでさえ、気づいて人がほとんどだろう。
しかし、この4作品は、読んだほうがいい。他の誰にも真似できない、絶妙なコマ割りのテクニックによって、話がテンポよく進む。コマ数が少なく、絵を大きく見せて、台詞も少ないのに、読者はあっという間に状況を理解できる。これだけの技術をもって描かれているマンガはほとんどない。小林まことが、今までのキャリアで得たもの全てを入魂しながら、丁寧に作り上げていった1作品、1作品だ。
ストーリーは、4作品とも仁俠ものだ。複雑な伏線などはない。シンプルで、予想通りに話は進んでいく。楽しむところは、ストーリー展開ではない。人間だ! そこに描かれている男女は、皆一様にかっこいい。このレビューでは、ストーリーを紹介しようとは思わない。ただ、登場人物のかっこよさを存分に味わってほしい。
出典:honz.jp
劇画・長谷川伸シリーズ全4巻を読む
まさに至福の時!
劇画・長谷川 伸シリーズ 関の弥太ッぺ (イブニングコミックス) 2009年
小林まことの新境地!! 「100%楽しんで描きました」え~い、めんどくせえ!! 年3両の食いぶちで、むこう10年あずかってくれ!! てまえ、常陸の国、関本という処の生まれで関の弥太郎。またの名を関の弥太ッぺと申します。大衆文学の父と呼ばれる巨匠・長谷川伸の、義理と人情味に溢れた名作が、小林まことの手によって蘇る!! 主役を演じるのは『柔道部物語』の三五十五。脇を固めるのは、小林まことワールドの豪華キャストたち。痛快娯楽時代劇、いよいよここに開幕でござんす!! 【巻末特別付録】長谷川伸×小林まこと スペシャル対談収録!!
お小夜ちゃん、かわいいね
これ小林まことのマンガで元のキャラクターを熟知している人はもっと楽しめるんだろうなあ
『柔道部物語』の三五十五はわかるけどね
ま、長谷川伸が生きてるわけないよね(笑)
出典:劇画・長谷川 伸シリーズ 関の弥太ッぺ (イブニングコミックス)
劇画・長谷川 伸シリーズ 沓掛時次郎 (イブニングKC) 2010年
小林まことがおくる、長谷川伸シリーズの第2弾。長谷川伸が残した名作を、これまでの小林作品のキャラクター達が、躍動感一杯に演じるまったく新しい試み。『柔道部物語』の三五十五が、『1・2の三四郎』の東三四郎が大暴れ! 義理と人情、現代人が忘れていた美しい物語がここにはある。
沓掛は「くつかけ」と読みます、君は読めないだろ?
機会をみつけて、映画や小説、戯曲?
もっと楽しみたいと思った
出典:劇画・長谷川 伸シリーズ 沓掛時次郎 (イブニングKC)
劇画・長谷川 伸シリーズ 一本刀土俵入 (イブニングKC) 2012年
小林まことの手で蘇る、義理と人情の物語。現代だからこそ伝えたい“美しさ”がここにあるーー。『柔道部物語』『1・2の三四郎』他、名作のキャストが長谷川伸の世界で大暴れ!巻末には漫画の原点となった長谷川伸の戯曲を収録!
マンガが他より少し短い分、戯曲も掲載されてるよ
こっちはおいおいゆっくり読んでみよう
出典:劇画・長谷川 伸シリーズ 一本刀土俵入 (イブニングKC)
劇画・長谷川 伸シリーズ 瞼の母 (イブニングKC) 2014年
小林まことが全精力を注ぎ、美しき義理と人情の世界を描き出す。長谷川伸が残した名作を、これまでの小林作品のキャラクター達が、躍動感一杯に演じるまったく新しい試み。今回はシリーズ最高傑作の『瞼の母』を小林まこと作品一の名キャラクター・東三四郎が演じきる!
読み終えるのが惜しい感じ?・・・もう少し長く楽しみたかった
これも原作や映像作品もちゃんと見てみよっと
いや、マンガももう一回読み返して楽しみたいね
出典:劇画・長谷川 伸シリーズ 瞼の母 (イブニングKC)
さらに奥深く・・・長谷川伸と消えゆく股旅モノの世界へ
股旅物
主人公を渡世人や侠客とし、アウトローの世界を描いたもの。長谷川伸とその弟子子母澤寛が開拓。国定忠治や清水の次郎長が代表的な主人公。戦後は笹沢左保の『木枯らし紋次郎』が注目される。
股旅映画と長谷川伸
長谷川伸(1884―1963)は大正から昭和にかけて活躍した劇作家・小説家であり、大衆文学界の巨匠。今ではその作品を書店で購入するのも難しい長谷川伸だが、実は彼が文学界・映画界・演劇界に残した功績は計り知れないものがある。
その生涯で書き上げた小説は500作品以上。戯曲は150作品以上。彼が主宰していた“新鷹会”という文学学校の門下生には、池波正太郎・村上元三・山手樹一郎・山岡荘八・平岩弓枝ら、そうそうたる時代小説家が名を連ねている。また彼はその原作が映画化された本数のおそらく最も多い作家であり、その数は150作品以上にものぼる。衣笠貞之助・稲垣浩・マキノ雅弘・加藤泰・山下耕作などの名監督たちが長谷川作品の映画化に挑戦してきた。
明治生まれの庶民階級出身であり、幼少時から苦労して育った長谷川作品の主題は、封建的世界の中で懸命に生きる人々の義理・人情・意地を描くことである。その主題が最も端的に現れたものが、いわゆる“股旅物”だろう。“股旅”とは“旅から旅を股にかける”という意味の長谷川伸の造語であり、“股旅物”とは、やくざや流れ者が、いわゆる一宿一飯の義理に従って人を殺めたりしつつも不器用ながら懸命に生きる姿や、彼らに関わる女性や子どもなど社会的弱者の悲哀を描く物語である。『沓掛時次郎』『瞼の母』など、長谷川作品の“股旅物”は、戦前から戦後にかけて、舞台・映画において盛んに作品化されたし、長谷川以降の作家も『次郎長三国志』『木枯し紋次郎』など、“股旅物”の系譜に連なる作品を描きヒットを飛ばした。
そしてもう一つ、長谷川伸を語る上で忘れてならないのが“仇討ち物”だ。“股旅物”に比べると映像化された数は少ないが、長谷川は、“股旅物”と同時に“仇討ち物”も盛んに発表し続けた作家なのである。長谷川伸における“仇討ち物”には、封建的義理から、そうせざるを得なくて敵を討つという悲哀が漂う。討つ者も討たれる者も一生懸命に、義理を通し、人情に揺れ、意地を通して生きているのだ、と言わんばかりに。
日本人の情感の根源を、見捨てられた者たちの義理・人情の中に見た長谷川伸。戦前・戦後の日本が貧しかった時代、庶民の圧倒的な支持を得た長谷川伸だが、70年代以降はその原作の映像化が殆どされておらず、映画に至っては1本も製作されていない。(時代劇専門チャンネル解説より)
まさに消えゆく、日本の大衆文学の象徴かもね
いや、学校でやってもいいんじゃない?股旅モノとか・・・だめ?
アウトローの世界に足を踏み入れた男たちが股旅ものの主人公である
アウトローの世界に足を踏み入れた男たちが股旅ものの主人公である。長谷川伸は、大正十二年に発表した「ばくち馬鹿」ではじめて渡世人を主人公とし、昭和四年の戯曲「股旅草鞋」で“股旅”という言葉を使い、これ以後、渡世人を主人公とする小説を股旅ものと呼ぶことになった。股旅とは旅から旅を股にかけるという意味で、長谷川伸の主人公が、アウトローの疎外感を基調にして陰翳に富む人物に造型されているのは、少年時代を仕出屋や出前持ちやドックの現場小僧、土工、石工等の職業に従事した作者の、社会の底辺に住む人たちへの共感がこめられているからだろう。
長谷川伸は、自分のいっている股旅とは「男で、非生産的で、多くは無学で、孤独で、いばらを背負っていることを知っているものたちである」と定義しているが、彼が生み出した多くの主人公 - 一宿一飯の義理からやむなく斬った六ッ田の三蔵の女房子供を守って切ない旅を続ける「沓掛時次郎」(「騒人」昭和三年七月)をはじめとして、四歳の時、実母と生別した作者自信の体験をもとにして書かれた「瞼の母」(「騒人」昭和五年三・四月)の番場の忠太郎や、酌婦お蔦への恩返しに股旅姿で四股を踏む「一本刀土俵入り」(「中央公論社」昭和六年六月)の駒形茂兵衛、或いは「関の弥太ッぺ」(「サンデー毎日」昭和四年六月十五日)らはいずれもそうした思想の体現者に他ならないのである。
長谷川伸は明治十七(1884)年三月十五日に横浜市太田日の出町に生まれ、本名は伸二郎、四歳で生母と別れ、五十歳のとき再会する。小学校は二年で退学、少年時代を仕出し屋の出前持ち、ドックの現場小僧、鳶の手伝い、土工、石工などを体験、ジャパンカゼットの記者から井原青々園の紹介で、都新聞に入社した。
大正十一年はじめて長谷川伸のペンネームでサンデー毎日に「天正殺人鬼」を発表、大正十四年から「大衆文芸」の同人となり、以後十五日会(小説)、二十六日会(戯曲)の勉強を主催して、村上元三、山手樹一郎、山岡荘八、棟田博、長谷川幸延、鹿島孝二、大林清、玉川一郎、池波正太郎、平岩弓枝など多くの作家を育成し、菊池寛賞、朝日文化賞などに輝いている。昭和三十八年六月十一日歿、以来毎年六月下旬に長谷川伸を偲ぶ会が催され、いま尚多くの人々に追慕されている。
【なつかしの番組】「テレビドラマ 居留地ランプ」(1954年)~街道特集~長谷川伸の原作に基くフィルム撮影のドラマ。舞台は幕末・慶応元年の横浜郊外の街道筋。どことなく狂言や落語のようなユーモアがある、この年の芸術祭参加作品。 https://t.co/UexvjqG0nM
— NHKアーカイブス (@nhk_archives) 2017年10月18日
『暗闇の丑松』は自他ともに認める最高傑作か・・・メモメモ
大正から戦後復興期まで、大衆文芸作家として一世を風靡した長谷川伸(1884-1963)。その作家像に対する論評においては佐藤忠雄、平岡正明、山折哲雄らのすぐれた仕事が残されてきたが、作品に沿った詳細な解題は見当たらないのが現状である。本書では、長谷川の全戯曲一六〇篇余の中から股旅物の嚆矢となった『沓掛時次郎』、長谷川の名を不動のものとした『瞼の母』、自他ともに認める最高傑作『暗闇の丑松』の三篇を採り上げ、細部まで読み解いていく。
寅さんは、昭和の最後に生き残っていた渡世人だよね
とかく土地土地のお兄さんお姉さんに御厄介かけがちなる若造でござんす
以後、見苦しき面体お見知りおかれまして今日後万端!
引き立って宜しく御頼ん申します!