
「バっカもーん!」

?

「こっら! カツオっ!サザエっ!」

あ、また、物まねできましたね(笑)。
波平さん、似てませんから。

自分でもわかってる。

このまえのルパンはちょっとだけ似てました。
と、フォローしておきます。

納谷悟朗の仕事を紹介したら、永井一郎も振り返らない訳にはいかないでしょう。

永井一郎さんは、やっぱり「サザエさん」のお父さん、磯野波平さんですよね。
©フジテレビ

うん。父親役や老人役が多いよね。
でも、同じく年寄り役が多かった納谷悟朗とは少しイメージが違うよな。
なんだろう、永井一郎の方がより庶民的。“市井の人”という印象だね。

はい。

洋画の吹き替えも、納谷悟朗や山田康雄だったらこの俳優ってのがあるけど、永井一郎は特に誰ってないもんね。
他の仕事も、俳優や舞台よりも、声の仕事が圧倒的に多いみたい。声優の他にも、番組のナレーションとか。

そうですか。

磯野波平の次に思い出すのが、「うる星やつら」の怪僧チェリー(錯乱坊)だね。
永井一郎さんの特徴をデフォルメしたようなユニークなキャラクターだった。

「宇宙戦艦ヤマト」の佐渡酒造もいいよね。
こちらもユニークなキャラで、腕前は一流の医者なんだけど、いつも酒を呑んでるおじいちゃん先生。
シリアスな物語の中で、佐渡先生と助手のアナライザー、猫のみーくんが出てくると和んだね。

みーくん、かわいいですね。

ヤマトでは、主要キャラの佐渡先生以外にも、同じく主要キャラの徳川彦左衛門の役もやっている。
一人で何役もこなすところが、永井一郎の大きな特徴でもあるね。

でも、みんな中年や年寄りなんですね(笑)。

だね。

「機動戦士ガンダム」ではナレーションを担当したよ。
いつも愉快な永井の、シリアスなナレーションがまた絶妙な味だった。

ファースト・ガンダムですね。作品の印象を決める重要な役割ですね。

そして、ガンダムでは永井の“市井の人”さがいかんなく発揮されている。ナレーション以外でも永井が声をあてているキャラが大勢いるよ。

誰ですか?

まずジオン軍ね。デギン公王から始まって、黒い三連星のマッシュ、ムサイに乗っていたドレン大尉、アッガイに乗っていた赤鼻、12機のドムをガンダムにやられたコンスコン中将、ニュータイプを研究しているフラナガン機関のDr.フラナガン。

へー!

連邦軍いくよ。レビル将軍の右腕ともいわれるティアンム中将、裏切者のエルラン中将、ミライに仲人を買ってでようとするゴップ提督、ホワイトベースのコックさんのタムラ。

なんか笑っちゃいますね。

「まだまだ~!」
そのほか、タチ、デミトリー、デラミン、フラナガン・ブーン、バイス、バムロ、ハンブル、ビービ、ゼイガン、ペルガミノ・・・。フラウ・ボゥの祖父もやってたらしい!

もう誰が誰だかわかりません・・・。

正確にいうと、映画版では他の人にチェンジしたりとかあるけどね。それにしてもすごいね(笑)。

「ゲゲゲの鬼太郎」でも子泣き爺(1作目)をはじめ数々の妖怪をやってるし、「ハクション大魔王」でもいろいろな役やっている。

へー。

そのほか、僕の印象に残っているのは、「未来少年コナン」のダイス船長かな。

ダイス船長いい味だしてましたよね。

1960年代のはじめから、つい最近まで活躍されてたよね。
日本のアニメで、親父、老人、博士や先生。社長、長老、村長に船長。このへんの役は大抵、永井一郎といっても過言ではないね(笑)。

そう考えると凄いですね(笑)。

老人をやるべくして生まれたような声優さん。

まさに運命ですね。

うん(笑)。
「さだめじゃ」
©うる星やつら

・・・。
似てないし、若い人はそのギャグすぐにわからないです!