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【手塚治虫全部読む7】実は未完の「奇子」本来の構想のプロローグにすぎないという…【1972年ビッグコミック】
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手塚治虫が語る「奇子」
「奇子」は一年半にわたってビッグコミックに連載した作品で、じつは、この物語はもっと長編の予定だったのです。
それが、急に途中で終わったのは、やむを得ぬ事情によるもので、話がつまったとかいやになったわけではありません。したがって物語の大筋のほんのプロローグですが、これはこれなりにまとめてみて満足しています。
最初はドストエフスキイの「カラマゾフの兄弟」のような、一家系のさまざまな人間関係を戦後史の中でかきたかったのです。戦後史をまともに出したのではあまりにも羅列的になりますから、その狂言まわしに天外一族をおいたのでした。戦前的な色彩をもつ素封家に、容赦なく戦後思想が混入し、その混乱と葛藤の中に、日本人のバイタリティのようなものをえがき出したいと思いました。
「奇子」はいちおうこの三冊の本でまとまっていますが、物語はこのあと、彼女の不思議な人生を追って発展することになります。それは、ぜひ書きたい意欲があり、またタイトルをかえてあらためてどこかに発表したいと思います。
(後略)
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出典:「鳥人大系」手塚治虫
出典:「奇子」手塚治虫
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